- 複数の障害があります。どのように考えれば良いでしょうか?
手順がわからないので教えてほしいです。
障害年金と複数の障害がある場合の受給について
障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事が困難になった方々の生活を支えるための制度です。しかし、1つの障害だけではなく、複数の障害を抱えている場合には、年金の受給基準や手続きが複雑になることがあります。本コラムでは、複数の障害がある場合の障害年金受給について、その仕組みやポイントを解説します。
複数の障害がある場合の考え方
障害年金の受給は、原則として1つの障害に基づいて行われます。しかし、複数の障害がある場合には、それぞれの障害を「併合(併せて評価)」して、より高い等級で認定されることがあります。この仕組みは「障害認定基準」に基づいて運用され、以下のようなケースで適用されます:
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複数の障害が関連している場合
たとえば、脳梗塞後に半身麻痺と高次脳機能障害を併発しているケースでは、これらの障害を総合的に評価します。 -
障害が異なる部位や機能に及ぶ場合
視力障害と肢体障害のように、異なる機能に影響を及ぼす障害がある場合も、併合の対象となります。
併合認定のポイント
併合認定による等級の引き上げや追加認定を受けるためには、いくつかの重要なポイントがあります:
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診断書の記載が重要
複数の障害を正確に評価してもらうためには、すべての障害について詳しく記載された診断書が必要です。医師に症状の詳細や日常生活への影響を適切に伝えることが大切です。 -
初診日の特定
複数の障害がある場合でも、障害年金の受給要件では「初診日」が重要な基準となります。すべての障害が同じ初診日に関連している場合もあれば、それぞれ異なる場合もあります。この点を整理することが受給成功の鍵です。 -
複数等級の適用条件
場合によっては、併合認定の結果として、1つの障害に基づく年金と、複数の障害を合わせた評価による年金のどちらが有利かを検討する必要があります。
障害年金の手続きで困ったときは社労士に相談を
複数の障害がある場合、受給要件や手続きがさらに複雑になります。このような状況では、社会保険労務士(社労士)の専門的なサポートを活用するのが有効です。社労士は以下のようなサポートを提供します:
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適切な診断書作成のアドバイス
医師と連携し、必要な情報を診断書に反映するよう支援します。 -
初診日の確認や整理
複数の初診日が絡むケースでも、受給要件を満たす初診日を特定し、申請書類を作成します。 -
併合認定の申請支援
複数の障害を総合的に評価してもらうための申請プロセスをサポートします。
まとめ
複数の障害を抱える方にとって、障害年金の申請は一層の負担を伴うことがあります。しかし、正確な情報を基に適切な手続きを行うことで、必要な支援を受け取ることが可能です。併合認定や等級の引き上げを含む複雑な手続きには、専門家の力を借りることで安心して進めることができます。
障害年金は、複数の障害がある場合でも支援を受けられる仕組みが整っています。この制度を活用し、少しでも生活の負担を軽減するために、必要な情報を収集し、困ったときは社労士などの専門家に相談することをお勧めします。
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