障害年金受給事例集

自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級を取得し、次回更新まで約311万円を受給されたケース

相談者

女性(20代/障害者雇用にて就労中)

【傷病名】 自閉症スペクトラム障がい

【決定した年金種類と等級】 障害基礎年金2級

【支給月から更新月までの支給総額】 約311万円

状 況(ストーリー)

幼少期より、お菓子の袋を捨てられない独自のルールがあり、強い拘りがありました。小学校にあがるとクラスメイトの顔を覚えることができず、何度もクラスメイトとトラブルになりました。先生からも「ふざけないで」と注意された経験があります。「どうして、そこまで怒られることなのか?みんなはどうやって覚えているのか?」と疑問に思うことばかりでした。

集団登校の時にも、顔がわからないので、誰についていけば良いのかは声で判断していました。

中学校に入ってから、更に感覚がおかしくなったように思えます。教室に入ろうとすると、机の横に知らない男性が立っていることがありました。
すぐに病院で診察を受け「統合失調症の疑いがある」と診断されました。定期通院をしていましたが、何も改善されませんでした。

高校生の時に転院し、別の病院で発達検査を行うと「認知の歪みがある」といった結果を告げられました。意識的な部分で改善には時間もかかると説明されました。高校卒業後、一般就労を目指しましたが「症状がある限り、ズレが生じてしまうのではないか?」と不安になり、障害福祉サービスの就労移行支援事業所を利用することにしました。そこから障害枠で就労し、現在に至ります。

請求までのサポート

普段からお世話になっている就労移行支援事業所様より「障害年金の申請を考えている方がいる。就労中でも障害年金の受給は可能か?」と言ったご質問がありました。「障害年金は就労条件だけでなく、認定基準が大事である」と説明し、直接ご本人様から弊所にご連絡いただくようにお願いしました。

数日後、ご本人様よりご連絡をいただき、お電話にて簡易ヒアリングを行いました。そこで就労中であることを懸念されておりましたが、きちんと面談にて情報整理し、請求方法を絞っていくことを提案し、無料面談を行うことになりました。

面談時に障害年金の請求要件を確認し、初診日が20歳前にあり、障害認定日時点でも通院があり、現在も定期通院は行っていることが明確となりました。この時点で障害認定日による遡及請求が可能である旨を説明し、弊所でのサービスをご案内、ご納得されたうえでご契約となりました。

早速、20歳前に通院していた(中学生時代)クリニック様に連絡し初診日の証明書(受診状況等証明書)の作成依頼を行いました。
完成後は20歳時点の障害認定日の診断書作成を次のクリニック様へお願いしました。完成後は2枚の資料をもとに現在通院されているクリニック様で現在の症状に関する診断書作成を依頼し、完成を待ちました。

出来上がった診断書に不備はありませんでしたが、記載内容が障害厚生年金3級程度の内容になっており、障害基礎年金2級の認定基準に届かない可能性があると判断しました。主治医の見解に対し、意見を述べることは出来ませんので、ご契約者様に通院時の状態をお聞きしたところ「症状で困っていることは伝えていない。それが普通だから」と主治医に困りごとが伝わっていないことがわかりました。

診断書に記載できなかった事項として、病歴・病歴就労状況等申立書と別紙で、症状に関する書類を添付し、裁定請求書類を年金事務所に提出しました。

結果

認定日請求(20歳前障害の遡及請求)による障害基礎年金2級へ決定されました。次の更新まで総額約311万円を受給しました。

 

 

 

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