大阪社労士渡辺事務所の傷病手当金と障害基礎年金は併給できる？

傷病手当金と障害基礎年金は、どちらも病気やケガで働けない人の生活を支える制度ですが、これらを同時に受け取れるのかについては多くの人が疑問を持つポイントです。この記事では、両者の関係や併給のルールについて詳しく解説します。

傷病手当金とは？
傷病手当金は、健康保険に加入している人が病気やケガで仕事を休む場合に支給される給付金です。支給期間は最長1年6カ月で、日給の約3分の2に相当する額が支給されます。この制度は、働けなくなった際の生活費を補うための重要なサポートです。

障害基礎年金とは？
障害基礎年金は、障害者年金の一種で、20歳以上60歳未満の国民年金加入者が対象です。障害の等級に応じて支給額が決まっており、生活を支えるための基盤となる給付金です。障害の状態が国の定める基準を満たす場合に支給されます。

傷病手当金と障害基礎年金の併給はできる？
結論から言えば、傷病手当金と障害基礎年金を同時に受け取ることは可能ですが、いくつかの条件と制約があります。ポイントは以下の通りです。

1. 併給調整が行われる場合がある
　傷病手当金と障害基礎年金は、どちらも「所得補償」とみなされるため、支給額の調整が行われることがあります。具体的には、傷病手当金の金額が障害基礎年金を超える場合、その超過分が差し引かれる場合があります。

2. 年金の種別による違い
　傷病手当金は健康保険、障害基礎年金は国民年金の給付金であるため、制度上は別の給付となります。このため、一定の条件下では両方の受給が可能です。ただし、障害基礎年金と傷病手当金が同時に支給される場合でも、調整が入るため満額を受け取れるとは限りません。

手続きで注意すべき点
傷病手当金と障害基礎年金を併給する際は、それぞれの制度に基づく手続きを行う必要があります。特に、障害基礎年金の申請には初診日の証明や診断書などの書類が必要です。また、傷病手当金を受給している場合、その給付状況について報告を求められることがあります。

これらの手続きを円滑に進めるためには、社会保険労務士や専門家のアドバイスを受けることが有効です。誤った申請をすると、受給が遅れる可能性もあるため、注意が必要です。

まとめ
傷病手当金と障害基礎年金は、病気やケガで働けなくなった際の重要な支えです。併給が可能な場合もありますが、支給額の調整や手続きの煩雑さに注意が必要です。両方の制度をしっかり理解し、適切に活用することで、経済的な負担を軽減することができます。不明な点がある場合は、専門家に相談し、最適な方法を選びましょう。