障害年金Q&A

複数の障害があると、障害年金を申請する時に有利ですか?

精神、身体、内部疾患ぞれぞれに障害があります。
障害年金の申請をするのは有利ですか?

複数の障害がある場合の障害年金の取り扱いについて

 

障害年金は、障害が原因で働くことが難しい、または日常生活に支障がある方に対して支給される公的な年金制度です。基本的には1つの障害について支給されるイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、実際には「複数の障害」がある場合にも適切に制度を活用できる仕組みが整っています。今回は、複数の障害がある場合の障害年金の取り扱いについて解説します。

 

障害年金と複数の障害
複数の障害がある場合、それぞれの障害が障害認定基準を満たしていれば、個別に認定される可能性があります。ただし、支給額や等級は、障害を組み合わせて総合的に判断される「併合認定」という仕組みによって決定されます。この併合認定は、複数の障害を1つの大きな障害として評価し、等級を上げることを目的としています。

 

併合認定の具体例
例えば、以下のような場合を考えてみましょう。

 

1. 視覚障害(片目の視力が著しく低下)
2. 聴覚障害(片耳が難聴で補聴器でも改善が難しい)

 

このようなケースでは、それぞれ単独では障害等級に該当しない場合でも、2つを併せて考慮することで、総合的な評価として3級や2級に該当する可能性があります。

 

また、既に障害年金を受給している場合に新たな障害が加わった場合でも、申請を行い、併合認定を受けることができます。この場合、追加された障害が既存の等級に影響を与えることもあります。

 

複数障害における留意点
複数の障害で障害年金を申請する場合には、いくつかのポイントに注意が必要です。

 

1. 医師の診断書の作成
各障害に対応した医師の診断書が必要です。診断書にはそれぞれの障害の詳細と、それが日常生活や仕事にどのような影響を及ぼしているかを具体的に記載してもらうことが重要です。

 

2. 初診日の特定
各障害における初診日が異なる場合、その特定が重要になります。障害年金の受給資格は、初診日における年金加入状況や保険料納付状況が関係するため、正確な初診日の特定が必要です。

 

3. 更新手続き
複数の障害で障害年金を受給している場合、年金の更新手続きにも注意が必要です。各障害の状態が継続しているか、悪化しているかを確認するため、適切な手続きが求められます。

 

制度をうまく活用するために
複数の障害がある場合、制度を最大限に活用するためには専門家への相談が欠かせません。社会保険労務士や福祉関連の窓口では、個別の事情に応じたアドバイスを受けることができます。また、書類の準備や手続きは複雑になりがちですが、専門家に依頼することでスムーズな申請が可能になります。

 

まとめ
複数の障害がある場合でも、障害年金制度を活用することで安定した生活を送るための支援を受けることができます。併合認定という仕組みを理解し、必要な手続きをしっかりと行うことで、自身の状況に合った支給を受けられるでしょう。不安な点があれば、専門機関や社会保険労務士に相談することをおすすめします。

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