障害年金Q&A

公開日: 2025年1月21日
人工透析で障害年金はもらえますか?

人工透析をしています。
障害年金の受給は可能ですか?

透析患者でも障害年金がもらえない?支給要件と不支給の理由を解説

透析治療を受けている人の多くが障害年金の対象になりますが、「申請したのに支給されなかった」「透析を受けていても障害年金がもらえないのか?」という声を耳にすることがあります。実は、透析患者であっても 一定の条件を満たさないと支給されない 場合があります。本コラムでは、透析と障害年金の関係、支給されないケース、そして受給のポイントについて詳しく解説します。


 

1. 透析患者は基本的に障害年金の対象

透析治療を受ける患者は、原則として 障害年金の2級に該当 します。
障害認定基準では、 慢性腎不全による人工透析を開始して3か月を経過した場合障害等級2級 に該当するとされています。

つまり、以下の条件を満たせば基本的には受給が可能です。

人工透析を開始して3か月が経過していること
初診日が国民年金・厚生年金の加入期間内であること
初診日の前々月までに一定の年金保険料を納めていること(納付要件)

しかし、これらを満たしているにもかかわらず、「障害年金がもらえない」ケースが発生することがあります。


 

2. 透析患者が障害年金をもらえない理由

障害年金が支給されない主な理由として、次のようなケースが考えられます。

(1) 初診日が特定できない、または年金加入期間外

障害年金を受給するためには、障害の原因となった病気の「初診日」 が年金加入期間内である必要があります。
しかし、以下のような場合には、初診日が適切に認定されず、障害年金をもらえないことがあります。

  • 腎疾患の診断が曖昧で、初診日が特定できない
  • 初診日が20歳前または年金未加入期間と判断され、納付要件を満たさない
  • 会社を辞めて国民年金に切り替えた後に発症し、納付要件が満たせなかった

特に、厚生年金加入時ではなく、国民年金のみの期間に初診日がある場合、障害基礎年金のみの受給となり、支給額が低くなる こともあります。


(2) 年金保険料の納付要件を満たしていない

障害年金を受給するためには、一定期間の年金保険料を納めていること が条件になります。

  • 初診日の前々月までの2/3以上の期間、保険料を納めていること
  • 直近1年間に未納がないこと

特に、年金の未納期間があると、それだけで支給対象外となる可能性があります。
「昔、年金を払っていなかった期間がある」 という人は注意が必要です。


(3) 透析導入前の病状で審査された

障害年金の審査では、通常 透析開始から3か月経過後 の状態が基準となります。
しかし、申請時に誤った診断書を提出すると、透析導入前の病状で審査され、等級に該当しないと判断されることがあります。

例えば:

  • 透析を開始する前の診断書を提出してしまい、「障害の程度が軽い」と判断された
  • 透析の必要性が認められる前の診断書しか用意できなかった

このようなミスを防ぐために、診断書の作成は慎重に行う必要があります。


(4) 診断書の内容が不十分

障害年金の審査では、医師が記載する 診断書の内容が重要 です。
診断書の記載内容が不十分だと、本来受給できるはずの障害年金が不支給になることもあります。

よくあるミス:

  • 「人工透析を受けている」記載がない
  • 日常生活の制限について詳しく書かれていない
  • 主治医が障害年金の基準を理解していないため、不適切な表現になっている

透析患者であれば2級に該当することが基本ですが、診断書の内容が適切でなければ、審査で不支給になる可能性があります。


 

3. 透析患者が障害年金を受給するためのポイント

障害年金を確実に受給するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

透析開始から3か月後の診断書を用意する
初診日を証明できる医療機関の記録を確保する
年金の納付要件を事前に確認する
診断書の内容を社労士や専門家にチェックしてもらう

特に、診断書の記載ミスを防ぐために、障害年金の申請経験が豊富な医師や社労士に相談することをおすすめします。


 

4. まとめ~透析患者でも障害年金がもらえないケースはある

透析患者は基本的に障害年金2級の対象ですが、以下のような理由で受給できないケースがあります。

  1. 初診日が特定できない、または年金加入期間外
  2. 年金保険料の納付要件を満たしていない
  3. 透析導入前の病状で審査されてしまった
  4. 診断書の内容が不十分だった
  5.  

これらのポイントを理解し、適切に準備をすれば、透析患者でも障害年金の受給が可能になります。もし不支給になった場合でも、不服申し立て(審査請求) を行うことで、受給できる可能性があるため、諦めずに専門家と相談しながら進めることが大切です。

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