- 公開日: 2025年1月23日
- 障害年金を受給すると年金は免除されますか?
年金を受給しながら、年金を収めるのですか?
障害年金を受給している人は、国民年金保険料の「法定免除」を受けられることをご存じでしょうか?この制度を利用すると、年金保険料を支払わなくてもよくなりますが、その一方でデメリットもあります。本記事では、法定免除の仕組みやメリット・デメリットについて詳しく解説します。
1. 障害年金と法定免除の関係とは?
障害年金(1級・2級)を受給している人は、国民年金保険料が全額免除される「法定免除」の対象になります。これは、障害があることで働くことが難しい人の負担を軽減するための制度です。
法定免除は申請が必要ですが、一度認められると、その後も障害年金を受給している限り適用されます。経済的な負担を軽減できるため、多くの人が利用しています。
2. 法定免除のメリット
法定免除を受けることで、以下のようなメリットがあります。
① 国民年金保険料の支払いが不要
通常、国民年金の保険料は月額**約16,520円(令和5年度)**ですが、法定免除を受けるとこれを支払わなくても済みます。特に収入が少ない方にとっては、大きな負担軽減になります。
② 免除期間も年金受給資格期間にカウントされる
通常、老齢基礎年金を受給するには最低10年間の加入期間が必要ですが、法定免除の期間も加入期間としてカウントされるため、年金を受給するための条件を満たしやすくなります。
③ 障害年金と老齢年金を併用できる可能性
将来的に障害年金が支給停止になった場合でも、老齢基礎年金を受給するための資格を確保できる点は重要です。
3. 法定免除のデメリット
一方で、法定免除には以下のようなデメリットもあります。
① 老齢基礎年金の受給額が減る
法定免除期間中の年金保険料は免除されますが、老齢基礎年金の計算には2分の1しか反映されません。例えば、20年間法定免除を受けた場合、本来もらえる老齢年金額の半分しか加算されません。
免除の種類 老齢基礎年金の計算割合 全額免除 2分の1(50%) 4分の3免除 5分の8(約62.5%) 半額免除 3分の4(75%) 4分の1免除 7分の8(約87.5%) 免除なし(通常納付) 100% したがって、老後の年金額をしっかり確保したい人にとっては、法定免除が不利になる可能性があります。
② 将来的に障害年金が支給停止になった場合のリスク
障害年金は、更新時の審査で「軽快した」と判断されると支給停止になることがあります。もし支給停止になった後に老齢年金の受給額が少ないと、老後の生活が厳しくなる可能性があります。
4. 法定免除を受けない選択肢もある
経済的に余裕がある場合、法定免除を受けずに自分で国民年金保険料を納めるという選択肢もあります。これにより、将来の老齢基礎年金の受給額を減らさずに済みます。
特に、次のような方は法定免除を利用せず、自分で保険料を納めることを検討するとよいでしょう。
- 老後の年金をしっかり確保したい
- 障害年金が将来的に支給停止になる可能性がある
- 経済的に保険料を納付できる余裕がある
5. まとめ
障害年金を受給すると、国民年金保険料が全額免除される「法定免除」の制度を利用できます。これは経済的な負担を軽減する大きなメリットがありますが、一方で老齢基礎年金の受給額が減るというデメリットもあります。
将来のライフプランを考えながら、「法定免除を利用するべきか?」「自分で納付するべきか?」を慎重に判断しましょう。もし迷った場合は、社会保険労務士や年金事務所に相談して、自分にとって最適な選択をすることをおすすめします。
両変形性股関節症で障害厚生年金3級を取得し、次回更新まで約225万円の受給を決定された方
2025年3月5日