融資・債務コラム
利息制限法とは?過払い金請求と関係が深い重要な法律を解説
お金を借りる時、借り手としては、
借金が増えることにもつながる「利息」は、
確認しておきたい、重要な要素の一つです。
実際、融資を受けて借金をした方の中でも、
「利息」に悩まれる方はこれまで多くいらっしゃいます。
ですが、利息にも高すぎないように規制を行う法律があります。
この法律こそが、「利息制限法」です。
「利息制限法」は、利息に上限を設けることで、
高すぎる利息を制限する法律です。
実は、広告などでよく見る過払い金請求は、
この「利息制限法」が重要に関わっています。
そこでこの記事では、「利息制限法」の法律の概要や成り立ち、
制定の背景について解説します。
「利息制限法」を理解して、
より計画的な融資計画を立てることができるようになりましょう。
利息制限法とは?借り手を守るための重要な法律の概要
利息制限法(りそくせいげんほう)は、
貸金業者が借り手に対して請求できる利息の上限を定めた法律です。
この法律は、借り手が高金利の負担に苦しまないようにするために作られました。
利息制限法は、出資法と同様に、借り手を守るための重要な法律です。
出資法の上限利率が年20%まで引き下げられるのに伴って、
利息制限法も平成22年6月18日に改正後の条文が施行されました。
利息制限法はなぜ作られた?非常に高い金利が設定された過去も
利息制限法は、以下の3つの理由によって作られた法律です。
- 高すぎる金利でお金を借りた人が、返済不能に陥るのを防ぐこと
- 消費者を保護し、借り手が公平な条件でお金を借りられるようにすること
- 違法な高利貸しや闇金を抑制し、金融市場の健全性を保つこと
過去には、
消費者金融や個人からの貸付で非常に高い金利が設定されてしまうことで、
借り手が負担を強いられるケースが多発していました。
これを防ぐために政府が制定した法律が利息制限法です。
利息制限法で定めていること〜金額と上限金利〜
利息制限法で定められているのは、
「借りた金額によって決まる上限金利」です。
金額と上限金利は以下のように定められています。
- 10万円未満:上限金利は年20%
- 10万円以上100万円未満:上限金利は年18%
- 100万円以上:上限金利は年15%
上記のルールを超える金利での貸し付けは違法となり、
貸金業者はその超過分を請求することができません。
また、借り手が過剰に支払った利息は
「過払い金」として、返還を請求することができます。
この返還の請求こそが、テレビやラジオ、
インターネットのCMで目にする
「過払い金請求」と呼ばれるものです。
この法律を使用して、多くの債務者が利息制限法によって、
救済をうけたことでも話題となりました。
「過払い金請求」については、後述でくわしく解説します。
利息制限法の改正が与えた影響で、過払い金請求が増加
利息制限法が改正されたことで、
債務者の保護を手厚くした「利息制限法」。
この法律により、高金利での貸付ができなくなったことで、
借り手が多重債務に陥るケースが減少しました。
特に、利息制限法のおかげで、
借りすぎた利息を返還請求する「過払い金請求」が増え、
借金に苦しんでいた方々が救済されました。
もちろん、貸金業者側にも大きな影響があり、
利息制限法によって利息で大きな利益を得ることが困難になりました。
そのため、借り手の信用力や返済能力を
以前よりも厳格に審査するようになり、
「融資基準(お金を借りる前の審査のこと)が厳しくなった。」
という見解もあります。
借り手(債務者)が利息制限法で知っておくべきこと。払いすぎた利息の請求について
利息制限法に基づく、覚えておきたい点は、主に以下の3つです。
- お金を借りる際の利息は、その金額によって比率が決まっています。
- もしルールに反する利息を請求された場合は支払う義務はありません。
- 過去の借金の利息が多い場合は過払い金請求の請求を検討しましょう。
もし貸金業者とトラブルになった場合は、
くれぐれも違法な利息を支払ってしまわないよう、注意しましょう。
もちろん、
過払い金請求を行う弁護士事務所などに相談することも
有効な手段の一つです。
まとめ:利息制限法は違法な利息から借り手を守る
いかがでしたか?
債務を考える上で知っておきたい「利息制限法」。
借り手は不当に高い利息を支払わなくて済むようになり、
過払い金請求を通じて救済されるケースも増えました。
ただし、今から金融庁が「貸金業者」として認可した
企業からお金を借りても、
法律に則った利息を請求されるようになっていますので、
過払い金の請求は不可能です。
お金を借りる際には、利息制限法に基づいた金利を確認し、
無理のない返済計画を立てるようにしてください。
くれぐれも利息制限法を遵守していない違法業者や
闇金からは借りないように注意が必要です。
もし
「昔の借金で、利息を払いすぎていたかもしれない。」
とお考えになった方は、
過払い金対応可能な弁護士さんなどに相談してみましょう。
時効や手続きもあり、個人での過払い金請求は、
あまり現実的ではないといえるでしょう。
当記事管理者・著者情報(社会保険社労士法人渡辺事務所 社員 牧村和磨)
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社員 牧村和磨 ・保有資格 |