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【2022年助成金】機器購入・設備投資を検討中の会社必見!(中小企業向け)

2022.08.09 スタッフブログ

労働人口の減少により、中小企業ではよい人材を確保することが難しくなってきており、その傾向は今後もより拍車をかけて進んでいきます。

その中で企業として事業収益をあげていくためには、限りある人財を最大限に活かし、限りある労働力の中でより高い価値を生み出す必要があります。

すなわち、従業員一人当たりの生産性の向上を図ることが鍵となります。


そのような背景もあり、ヒトの手の代わりとなる機器設備を導入したり、効率化を図れるようなシステムを活用したいと考える会社も増えてきていますね。

ただ、そのような設備は数百万円~数千万円かかるものもあり、なかなか購入に踏み切れないという会社も多いのではないでしょうか。


でも、ご安心ください!

中小企業であれば、活用できる助成金がいくつか用意されていますので、このあとに解説する要件に当てはまるようであれば、是非積極的に助成金を活用して、お得に生産性向上を図っていきましょう。

本コラムでは、当事務所が特に力を入れて申請サポートさせていただいている

『働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)』をメインにご紹介していきます。

働き方改革推進支援助成金って何?

2019年から順次適用開始された働き方改革関連法に基づいて、ここ数年で新設された助成金です。従業員の長時間労働の是正や働きやすい職場環境づくりなど、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組んだ中小事業主等に対する助成制度として設けられています。


この助成金は、実施する取り組みの目的や趣旨に応じて、4つのコースに分かれています。

どのコースも共通して 、機器購入や設備投資する会社が対象ですが、36協定の届出や有休管理簿・就業規則等の労務管理が整備出来ている会社でなければ申請できませんので、 あらかじめご了承ください。

また、これらの助成金では、機器購入等を検討している段階で交付申請しなければなりません。先に購入・契約してしまわないようにご注意ください。


1)労働時間短縮・年休促進支援コース

生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組んだ中小事業主が対象です。

詳細は後述します。

2)勤務間インターバル導入コース

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後~次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設ける仕組みのことで、2019年4月から制度の導入が努力義務化されています。このコースでは、勤務間インターバルを確保するための設備投資にかかった費用の一部が助成されます。

このコースでは、過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があることが要件にされていますので、残業がそこまで多くない会社であれば、残業実態の要件が設けられていない「労働時間短縮・年休促進支援コース」の活用を検討されるとよいでしょう。

3)労働時間適正管理推進コース

「労働時間短縮コース」「勤務間インターバル導入コース」が労働時間そのものの削減を目的としているのに対し、このコースでは、労務・労働時間の「適正管理」の推進を目的としているところが違います。

ですので、「賃金台帳等の労務管理書類について5年間保存することがまだ規定されていないこと」「勤怠管理と給与計算がリンクし、賃金台帳等を作成・管理・保存できる統合管理ITシステムをまだ導入していないこと」 という要件が設けられていることが特徴のコースとなります。

マネーフォワードやfreeなど、労務管理を一元化できるシステムを活用するのは既に主流になっており、導入済みの企業も多いことと思われますので、このコースを活用できる会社は限られる印象です。

まだ労務管理にシステムを活用していないという会社は、
勤怠管理・労務管理の効率化について解説しているこちらのコラムも是非ご覧ください!
助成金を活用しながら積極的にシステム化を図っていきましょう。

4)団体推進コース

このコースでは、中小事業主の団体やその事業主団体等の傘下の事業主が、労働者の労働条件の改善のために、時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取り組みを実施した場合に、その事業主団体等に対して助成されます。

ここでいう事業主団体等とは、主に以下の団体を指します。

  1. (1)事業主団体
    1. ア法律で規定する団体等(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会、都道府県中小企業団体中央会、全国中小企業団体中央会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、商工会議所、商工会、生活衛生同業組合、一般社団法人及び一般財団法人)
    2. イ上記以外の事業主団体(一定の要件あり)
  2. (2)共同事業主
    共同する全ての事業主の合意に基づく協定書を作成している等の要件を満たしていること



当てはまるかも?と思うコースがあれば、是非以下のリンクからそれぞれ詳細を確認してみてくださいね。



労働時間短縮・年休促進支援コースはどんな助成金?

本コースは、前述のとおり、生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組んだ中小事業主を対象に助成されます。

対象となる設備投資にも条件がある

他の3つのコースにも共通して言えることなのですが、この助成金を受給するには、どんな設備投資でもOKというわけではありません。

あくまでも、ヒトの作業時間が短縮できて業務効率が大きくあがり、残業時間の削減ができるような効果がある機器・システム等の設備投資であることが絶対条件となります。

申請実績がある代表的な設備投資の例でいうと、

自動釣銭機(レジ)、予約管理システム、自動食洗器、電子カルテ

などが挙げられます。申請の際には、その設備投資がどれくらいの労働時間短縮を実現するのかを説明する必要がありますので、よくご検討ください。

気になる助成金額は?

本コースの助成金額は、機器やシステムの購入に要した費用の4分の3(※)です。

(※)常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合は5分の4


この購入費用には、消耗品や外見を良くするためのオプションは対象になりません。

例えば、自動釣銭機(レジ)を導入した際、

レジ本体 ⇒ 対象

レシートロール ⇒ 消耗品なので対象外

レジに会社のロゴマークをプリント ⇒ 追加費用が発生してもその部分は対象外。

というイメージです。


また、例えば売上を一括管理するようなシステムを導入した場合など、初期費用だけでなくランニングコストが毎月継続して発生するようなケースについては、後述する「事業実施期間」内に発生した費用のみが原則として対象となります。


ただし、助成される費用の4分の3(※)には上限額が設定されています。その上限額は、行った取組に応じて決定されます。取組は「成果目標」と呼ばれ、以下の4つの中から選んで実施しなければなりません。

成果目標と上限額


1:全ての対象事業場において、令和4年度又は令和5年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと

2:全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること

3:全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入すること

4:全ての対象事業場において、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること

この4つの成果目標に加えて、賃金引上げを3%以上行うと、さらに助成金額が加算されます。


成果目標に応じた助成金上限額は、以下の通りです。

1:(A)36協定の残業時間数を月80時間超から60時間以下に設定する = 150万円

  (B) 36協定の残業時間数を月 80時間超から60~80時間に設定する = 50万円

  (C) 36協定の残業時間数を月60時間超から60時間以下に設定する = 100万円

2:年次有給休暇の計画的付与を新たに導入する = 50万円

3:時間単位の年次有給休暇を新たに導入する = 25万円

4:特別休暇( 病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)を1つ以上新たに導入する = 25万円

5:賃金引上げの加算額


つまり、例えば、

現時点で36協定の時間外労働時間数上限を月85時間に設定している事業所が、残業時間を短縮させた結果60時間に設定でき(=1-A)、年次有給休暇の計画的付与(2)、時間単位の年次有給休暇(3)、病気休暇(4)を新しく導入した上で、3人の従業員の賃金を3%アップさせた場合の上限額は、

150万+50万+25万+25万+15万円=265万円となります。


このように助成金上限額は設定されますから、まずは購入したい機器やシステム等に目星を付け、 その導入費用に応じて、上限額を意識しながら、どの成果目標を取組むか検討していただくとよいと思います。

申請の流れ


①交付申請

②審査(1か月~2か月程度)

③交付申請受理・決定

④事業実施期間・機器購入(1か月~数ヶ月間)

⑤支給申請

⑥審査(1か月~2か月程度)

⑦支給申請受理・決定

⑧入金(決定通知書交付から約2週間程度)

事業実施期間

成果目標の実施や導入することになった設備の購入は、すべて実施期間内に行う必要があります。

事業実施期間は、交付決定の日から2023年1月31日までの間で会社が任意に設定します。設定した事業実施期間は交付申請の時点で労働局に提出しますので、後から変更する場合は別途申請が必要となります。

受付締切が迫っています!早急にご検討を!

2022年度 は11月30日までが、交付申請の受付期間となっています。

ただし、この助成金は国が設定する予算額に到達した時点で早めに打ち切られることが予告されています。現に、2021年度は同様に11月30日までの締め切り期間だったところ、 予算到達により10月15日で打ち切られています。


今年も早めに打ち切られることが予想されますので、助成金申請を検討されている会社は遅くとも9月中には交付申請を完了できるように計画的に準備を進めていきましょう。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。しかしながら、ここまで解説したのは、この助成金ルールの氷山の一角に過ぎません…。

全貌を知りたい方は、以下のリンクからご確認ください。


冒頭にもお伝えしたとおり、助成金を活用する際には、日頃から労務管理が整備されていることが大前提となります。

国の予算は年々縮小しており、助成金審査も合わせてどんどん厳格化されています。

数年先まで見据えて、 日々の労務管理を整えながら、助成金を上手く経営に活かしましょうね。

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