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【必読!】ネットにある就業規則の無料テンプレートは使って大丈夫?
テンプレートや他社の就業規則を使う際の注意点
テンプレートや他社の就業規則をそのまま使ってはいけない
インターネットでダウンロードした就業規則
インターネットからダウンロードした無料の就業規則は、労働局等から配布されているものをもとに作成されている割合が非常に高いです。そのため、社員に有利な条文が多く、通常の労働基準法で定める基準を上回る労働条件が定められていいるケースも多々あります。
他社の就業規則
「他社のもの」「以前勤めていた会社の就業規則」「親会社の就業規則をそのままコピー」しているケースを見ることがあります。これは非常に危険です。利用した会社の規模、業種が同程度であれば大きな問題はないかと思いますが、もとにした会社が大規模であれば、大きな問題が出てくる可能性があります。例えば、法律上を上回った有給休暇、基準が高い退職金が規定されていたりすることが考えられます。
会社の労働条件と照らし合わせて作成する
テンプレートや他社の就業規則を使う場合に、一部だけ変更し、自社風にアレンジしようとしてもうまくいきません。あくまでも比較、検討の資料として活用し、就業規則や条文等の参考にしましょう。もし、時間があるなら、就業規則の専門書を複数冊購入して、テンプレートを参考にして作成することも可能だと思います。ただし、労働法の基礎知識がないと、専門書を読んでも理解することは難しく、相当時間がかかります。
パートタイマーがいる場合は要注意!
就業規則は事業場で働く社員の労働条件や、服務規律等を定めるものなので、そこで働くすべての社員について定めをする必要があります。例えば、パートタイマーがいる場合は、正社員と勤務の形態が異なった定めをする必要があるため、パートタイマー規定を別途作成するべきです。別に作成しないと正社員の就業規則が適用されてしまうので注意が必要です。また、パートタイマー規程を作成する際には、正社員とパートタイマーの違いを明確に定義することも忘れずに。
就業規則とは別に諸規程を定めるのが一般的な規定
「賃金規程」
賃金規程は労働条件に関わる重要な賃金事項について定めて規程です。つまり、この規定をしっかり作成しないと社員のトラブルが発生することになります。賃金に関する絶対的記載事項を整理し、詳細に設定を行います。例えば、欠勤、遅刻、早退時の時間単価、諸手当の支給基準、賞与の支給基準、通勤手当の支給基準を詳細に決めておきましょう。
「退職金規程」
退職金制度を設けることは法律上の義務ではないため、自由に選択することができます。就業規則に退職金に関する事項を定めることで、退職金支払いの義務が生じることになります。一旦、退職金規程として定めると、その後に廃止や減額を行う場合には社員の合意が必要となってきますので、注意が必要です。
「慶弔規程」
社員の結婚や出産、社員本人や家族の脂肪などの場合に支給する金品等の基準について定めたものです。こちらも適用除外があれば記載しておきましょう。
「育児介護休暇規程」
育児介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児ための所定外労働の免除、育児介護のための時間外労働及び深夜業の制限並びに所定労働時間の短縮処置等について定めます。育児介護休業は休暇に該当するため、絶対的必須記載事項になっています。法改正に注意して作成しましょう。
削除していい条文と削除してはいけない条文がある
インターネットからダウンロードした無料の就業規則をもとに、会社で就業規則を作成することも可能ですが、法律上削除してもいい条文と削除してはいけない条文を知らないままに作成した条文では、後々問題になる可能性があります。
労働基準法内89条では就業規則に記載すべき内容を次のように定めています。
絶対的必要記載事項とは、就業規則に必ず記載しなければならない事項のことで、相対的必要記載事項とは、その会社がその項目について定めをする、あるいは習慣として実施している場合に必ず記載しなければならない事項です。任意的記載事項はそれ以外の事項で、集魚規則に記載することが義務付けられていないものです、
・始業、就業の時刻、休憩時間、交代勤務について
・休日、休暇(年次有給休暇、育児介護休業など)
・賃金(臨時の賃金除く)の決定、計算及び支払い方法
・賃金の締切日と支払いの時期、昇給について
・退職、解雇、定年の事由及び手続
・退職金が支払われる社員の範囲、退職金の決定、計算及び支払いの方法、退職金の支払時期に関すること
・賞与について
・臨時の賃金(退職金を除く)および最低賃金額について
・社員の負担となる食費、作業用品について
・安全及び衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項
・その他社員すべてに適用される事項
・就業規則の目的または趣旨
・社員の心得
・会社の理念
・規則改定の手続き方法
就業規則のことなら社会保険労務士に相談してみましょう
就業規則を作成するには、関係法令の把握や自社の実情に応じたアレンジが必要になってくるので、専門家のアドバイス無しに、安易にテンプレートを使うことはおすすめできません。時間のコストや、労務トラブルのリスクをトータルで考えると、専門家に相談することが得策です!労務トラブルは起こってからでは手遅れなことも多く、未然に防ぐことが必要です。
就業規則のことでお悩みでしたら、是非、お気軽にご相談ください。
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