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平均賃金とは?計算方法や必要になる5つのケースをわかりやすく解説

2024.08.18 社労士コラム

人事労務担当者や経営者の皆様、従業員とのトラブル回避に役立つ労働基準法の平均賃金について解説します。
平均賃金は、従業員を守るための重要な制度であり、適切に理解し運用することが、スムーズな労務管理に繋がるでしょう。
本記事では、平均賃金の計算方法や、解雇予告手当、休業手当など、平均賃金が必要となる5つのケースをわかりやすく解説します。

平均賃金とは?

労働基準法における平均賃金とは、従業員が特定の事由によって賃金の算定を必要とする場合に用いられる基準となる金額のことです。

解雇予告手当や休業手当などの金額を決める際に必要となるため、人事労務担当者や経営者にとって、平均賃金の概念を理解することは不可欠です。

1: 平均賃金の算定根拠

平均賃金の算定根拠は、労働基準法第12条に定められています。
労働基準法第12条では、平均賃金は「これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」と定義されています。

つまり、平均賃金は、従業員が特定の事由によって賃金の算定を必要とする場合に、直近3ヶ月間に支払われた賃金を基に計算されます。

2: 平均賃金の必要性

平均賃金は、従業員に対する適切な待遇を確保するために重要な役割を果たします。
例えば、解雇予告手当や休業手当などの金額を決定する際には、平均賃金に基づいて計算されます。

これらの手当は、従業員が解雇や休業によって経済的な損失を被った際に、生活の安定を図るために支給されます。

平均賃金は、従業員を守るための法的根拠であり、企業が従業員に対して責任を果たす上で重要な要素となります。

平均賃金が必要になる5つのケース

平均賃金は、従業員に対して特別な対応が必要となるケースで必要となります。

従業員を守るためにも、適切に平均賃金を計算することが重要です。

1: 解雇予告手当

従業員を解雇する場合、原則として30日前に解雇予告をする必要があります。
しかし、やむを得ない事情により、30日前に解雇予告ができない場合は、解雇予告手当を支払う必要があります。
解雇予告手当は、30日分の平均賃金に相当します。

2: 休業手当

会社都合で従業員を休業させる場合、休業手当を支払う必要があります。
休業手当は、平均賃金の6割以上を支払う必要があります。

3: 有給休暇取得時の賃金

従業員が有給休暇を取得した場合、有給休暇取得時の賃金を支払う必要があります。
有給休暇取得時の賃金は、平均賃金に基づいて計算されます。

4: 災害補償

従業員が業務中に負傷した場合、災害補償を支払う必要があります。
災害補償は、平均賃金に基づいて計算されます。

5: 減給

従業員が就業規則に違反した場合、減給を行う場合があります。
減給は、平均賃金に基づいて計算されます。

平均賃金計算における例外規定

通常の計算方法では平均賃金を算定できないケースでは、例外規定が適用されます。

1: 雇入れから3ヶ月に満たない場合

雇入れから3ヶ月に満たない場合は、平均賃金の算定期間は雇入後の期間を用います。

2: 試用期間中の場合

試用期間中は、平均賃金の算定期間から除外するのが基本です。
ただし、試用期間中に平均賃金を算定すべき事由が発生した場合は、試用期間を除外すると算定期間がゼロになってしまうため、試用期間の日数及び賃金を、通常の平均賃金の計算式にあてはめて計算します。

3: 一昼夜交替勤務者の場合

一昼夜交代勤務者の労働時間が2暦日にわたるような場合は、暦日単位で取り扱うのが基本です。
ただし、1勤務が2日の労働とみなされる場合は、2日間の労働として計算します。

ケース別の平均賃金計算のポイント

解雇予告手当、休業手当、有給休暇取得時の賃金など、それぞれのケースにおける平均賃金の算出方法やポイントを解説します。

1: 解雇予告手当の計算

解雇予告手当は、30日分の平均賃金に相当します。
平均賃金の算定期間は、解雇予告をした日以前3ヶ月間です。
例えば、2023年12月1日に解雇予告をした場合、平均賃金の算定期間は2023年9月2日から2023年11月30日までの3ヶ月間となります。

解雇予告手当の計算式は、以下の通りです。

解雇予告手当 = 平均賃金 × 30日

2: 休業手当の計算

休業手当は、平均賃金の6割以上を支払う必要があります。
平均賃金の算定期間は、休業した日以前3ヶ月間です。
例えば、2023年12月1日から休業した場合、平均賃金の算定期間は2023年9月2日から2023年11月30日までの3ヶ月間となります。

休業手当の計算式は、以下の通りです。

休業手当 = 平均賃金 × 0.6 × 休業日数

3: 有給休暇取得時の賃金の計算

有給休暇取得時の賃金は、平均賃金に基づいて計算されます。
平均賃金の算定期間は、有給休暇を取得した日以前3ヶ月間です。
例えば、2023年12月1日に有給休暇を取得した場合、平均賃金の算定期間は2023年9月2日から2023年11月30日までの3ヶ月間となります。

有給休暇取得時の賃金の計算式は、以下の通りです。

有給休暇取得時の賃金 = 平均賃金 × 有給休暇取得日数

まとめ

本記事では、労働基準法における平均賃金の計算方法や、解雇予告手当、休業手当など、平均賃金が必要となる5つのケースを解説しました。

平均賃金は、従業員を守るための重要な制度であり、人事労務担当者や経営者は、平均賃金の概念を理解し、適切に運用することが重要です。

従業員とのトラブルを回避し、スムーズな労務管理を行うために、本記事の内容を参考にして、平均賃金について理解を深めてください。

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