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60時間を超えた場合の割増賃金はいつから?2023年4月1日以降の変更点を解説

2024.11.19 社労士コラム

2023年4月1日から、中小企業においても月60時間を超える時間外労働に対して、50%以上の割増賃金の支払いが義務付けられました。
これは、従業員の働き方改革の一環として、長時間労働の是正と労働者の生活水準向上を目的としたものです。
しかし、中小企業にとっては、経営状況や人手不足などの課題を抱え、対応に苦慮するケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、中小企業の経営者向けに、60時間超割増賃金に関する詳細な情報や、具体的な対応策について解説します。

60時間超割増賃金とは?

2023年4月1日より、中小企業においても月60時間を超える時間外労働に対して、50%以上の割増賃金の支払いが義務付けられました。
これは、従業員の働き方改革の一環として、長時間労働の是正と労働者の生活水準向上を目的としたものです。
しかし、中小企業にとっては、経営状況や人手不足などの課題を抱え、対応に苦慮するケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、中小企業の経営者向けに、60時間超割増賃金に関する詳細な情報や、具体的な対応策について解説します。

1:そもそも割増賃金とは。

まず前提として、労働基準法では「1日8時間・1週40時間」を法定時間と定めており、この時間を超えて働く場合には割増賃金の支払いを企業に義務付けています。
例えば、1日9時間勤務をすると「1時間の時間外」が発生します。
時間単価1,000円で働く従業員に対しては25%以上の割増賃金を計算し、合計1,250円以上の賃金を支払わなければなりません。

2:割増賃金の3つの種類

割増賃金は大きく3種類に分類されます。
-時間外労働に関する割増手当
-休日労働に関する割増手当
-深夜労働に対する割増手当
それぞれの時間帯によって、発生する割増率が異なります。

3:具体的な計算例

例えば、所定労働時間が午前9時から午後5時(内休憩1時間)の企業において、9時から翌日の5時まで勤務した場合、各時間に対して割増率を計算しなければなりません。
-9時から17時:所定労働時間(7時間)-割増率なし
-17時から18時:法定内残業時間(1時間)-割増率なし
-18時から22時:法定外残業時間(4時間)-割増率25%以上
-22時から翌5時:法定外残業時間+深夜(7時間)-割増率50%以上
このように、時間帯によって割増率が異なるため、正確な計算が必要です。

中小企業への影響と注意点

今回の法改正によって、中小企業は従業員の労働時間管理をこれまで以上に徹底する必要が出てきました。
従業員の残業時間を把握し、60時間を超えないように適切なシフト管理や人員配置を行う必要があります。
また、割増賃金の計算方法についても理解し、正確に支払う必要があります。

1:中小企業への適用

今回の法改正は、中小企業にも適用されます。
具体的には、以下の要件を満たす企業が対象となります。
-業種:小売業、サービス業、卸売業、その他
-資本金または出資の総額:各業種によって異なります
-常時使用する労働者数:各業種によって異なります

2:従業員への説明

今回の法改正について、従業員への周知徹底が必要です。
従業員が自分の労働時間や割増賃金について理解することで、労働時間管理がスムーズになります。

3:記録の保存

労働時間や割増賃金の計算根拠となる資料は、適切に保存しておく必要があります。
労働基準監督署から調査が入った際に、これらの資料を提出する必要があるため、しっかりと保管しておきましょう。

4:制度活用

中小企業向けの支援制度を活用することで、従業員への負担軽減や経営安定化を図ることができます。
例えば、雇用調整助成金や育児休業給付金などがあります。

まとめ

今回の法改正により、中小企業は従業員の労働時間管理を徹底し、60時間を超える時間外労働に対しては50%以上の割増賃金を支払う必要があります。
従業員の残業時間を把握し、適切なシフト管理や人員配置を行うことで、労働時間管理の徹底を図りましょう。
また、割増賃金の計算方法についても理解し、正確に支払うことで、従業員との信頼関係を築きましょう。
今回の法改正を機に、中小企業は働き方改革に取り組むことで、従業員のモチベーション向上や企業競争力強化につなげることが期待されます。

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