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欠勤控除:計算方法と注意点
2025.02.17
スタッフブログ
正社員が欠勤した場合、給与から欠勤分を差し引く「欠勤控除」が適用されます。
これは「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づくもので、労働者が労働しなかった時間に対して賃金を支払わないという考え方です。
欠勤控除の計算方法
欠勤控除の計算方法は、主に以下の3つがあります。
月平均の所定労働日数を用いる方法
- 年間の所定労働日数を12で割り、月平均の所定労働日数を算出する
- 月給を月平均の所定労働日数で割り、1日あたりの給与を求める
- 1日あたりの給与に欠勤日数を掛け合わせた金額が欠勤控除額となる
【計算例】
年間の所定労働日数が240日、月給が30万円、欠勤日数が2日の場合
- 月平均所定労働日数:240日 ÷ 12ヶ月 = 20日
- 1日あたりの給与:30万円 ÷ 20日 = 15,000円
- 欠勤控除額:15,000円 × 2日 = 30,000円
該当月の所定労働日数を用いる方法:
- 月給を該当月の所定労働日数で割り、1日あたりの給与を求める
- 1日あたりの給与に欠勤日数を掛け合わせた金額が欠勤控除額となる
【計算例】
該当月の所定労働日数が23日、月給が30万円、欠勤日数が3日の場合
- 1日あたりの給与:30万円 ÷ 23日 = 約13,043円
- 欠勤控除額:約13,043円 × 3日 = 約39,130円
該当月の暦日数を用いる方法
- 月給を該当月の暦日数(28日、30日、31日など)で割り、1日あたりの給与を求める
- 1日あたりの給与に欠勤日数を掛け合わせた金額が欠勤控除額となる
【計算例】
該当月の暦日数が30日、月給が30万円、欠勤日数が4日の場合
- 1日あたりの給与:30万円 ÷ 30日 = 10,000円
- 欠勤控除額:10,000円 × 4日 = 40,000円
遅刻・早退の場合の計算方法
遅刻や早退の場合、以下の方法で欠勤控除額を算出します。
- 1日あたりの給与を所定労働時間で割り、時間あたりの給与を求める
- 時間あたりの給与に遅刻・早退時間を掛け合わせた金額が欠勤控除額となる
【計算例】
1日あたりの給与が12,000円、所定労働時間が8時間、遅刻時間が2時間の場合
- 時間あたりの給与:12,000円 ÷ 8時間 = 1,500円
- 欠勤控除額:1,500円 × 2時間 = 3,000円
欠勤控除に関する注意点
- 就業規則への明記:欠勤控除の方法や基準は、就業規則に明確に記載し、従業員に周知することが重要
- 最低賃金の遵守:欠勤控除後の給与が最低賃金を下回らないよう注意が必要
- 各種手当の取り扱い:欠勤時の手当(例:残業代、通勤手当など)の扱いについても、就業規則で明確に定めておくことが望ましい
給与明細への記載方法
欠勤控除額は、給与明細の支給欄にマイナス表示で記載されることが一般的です。
従業員が自身の給与を正しく把握できるよう、明細への明確な記載と説明が求められます。
まとめ
欠勤控除の計算方法は複数あり、就業規則での明確な定義と従業員への周知が不可欠です。
また、最低賃金の遵守や手当の取り扱いにも注意を払い、適切な給与管理を行うことが求められます。
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