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給与計算に必須知識。「所得税」とは?
給与計算を行う際に避けて通れない「所得税」。
所得税とは、個人が得た所得に対して課される税金のことを指し、給与所得者の場合、給与から源泉徴収される形で納税が行われます。
本記事では、所得税の基本知識や計算方法についてわかりやすく解説します。
所得に対して課税される「所得税」
所得税は、給与や事業収入などの所得に対して課される税金です。
日本の所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増えるほど税率が上がる仕組みとなっています。
所得税計算のSTEP1 「給与所得」を計算
給与総収入とは、基本給、残業代、各種手当、賞与などを含めた総額のことです。
ここから給与所得控除を差し引いて、課税対象となる「給与所得」を求めます。
給与所得控除は、給与所得者の経費として認められる控除です。
以下の表に基づき計算されます。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
162.5万円以下 | 55万円 |
162.5万円超 180万円以下 | 収入金額×30% + 8万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30% + 8万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20% + 44万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入金額×10% + 110万円 |
850万円超 | 一律195万円 |
所得税計算のSTEP2 「所得控除」を計算して「課税所得」を算出
所得控除とは、個人の事情を考慮し、税負担を軽減するための制度です。
代表的な控除には以下があります。
- 基礎控除(48万円)
- 扶養控除(扶養親族の人数に応じて38万円~63万円)
- 社会保険料控除(健康保険、厚生年金など)
- 生命保険料控除
- 医療費控除
課税所得は、給与所得からこれらの所得控除を引いた額となります。
所得税計算のSTEP3 課税所得に「所得税率」を掛ける
所得税率は累進課税制度により、以下の通り設定されています。
課税所得額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税計算のSTEP4 最後に「税額控除」を引いて所得税額を算出
税額控除の主なもの
- 住宅ローン控除
- 配当控除
- 配偶者特別控除
これらの税額控除を適用することで、最終的な納税額が減少します。
2037年まで復興特別所得税が徴収される。計算方法は?
東日本大震災の復興財源として、2037年まで復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加算されます。
毎月の給与、賞与で行う所得税の源泉徴収とは?
給与や賞与の支払時に、所得税を源泉徴収し、会社が代わりに納付します。
年末調整で過不足を精算します。
給与計算システムなどを利用している場合の「電算機計算の特例」
給与計算システムを利用している場合、源泉徴収税額を簡単に計算できる「電算機計算の特例」が適用される場合があります。
所得税の納付は e-Taxダイレクト納付がおすすめ
e-Taxを利用すると、インターネット上で納付が可能です。
銀行振込より手間が省け、納期遅延リスクも減らせます。
所得税の納期の特例
給与支払者が常時10人未満の場合、源泉所得税の納付を半年ごとにまとめる特例が適用されます。
給与所得者が自ら確定申告する場合
年末調整で精算されない控除(医療費控除など)がある場合は、自ら確定申告を行い、還付を受けることが可能です。
まとめ
所得税の計算は複雑ですが、基本的な流れを理解することで正確な計算が可能になります。
特に、給与所得控除や所得控除、税額控除をしっかり把握することで、適切な税額を算出でき、節税対策にもつながります。
また、e-Taxの利用や電算機計算の特例を活用することで、手間を省きながら効率的に税務処理を行うことができます。
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