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職場の「いじめ・いやがらせ」は社労士へ相談!現代社会の問題点

2017.09.26 社労士コラム

難波(御堂筋線なんば駅徒歩1分)で社労士事務所を構える

社会保険労務士法人渡辺事務所(相談顧問・給与計算・就業規則作成・助成金申請のプロ)

の角田です!

あなたの会社で次のようなことはありませんか?

□職場でいじめや嫌がらせがある。またはそのようなことを聞いたことがある。
□新しく入ってくる従業員の定着率がひどく悪い職場がある。
□うつ病を発症した者が続けて出ている職場がある。
□残業や嫌な仕事はいつも特定の従業員に偏っている。
□従業員の全員に情報が伝わっていないことが多い。
□特定の従業員に私的な用事までさせている(押し付けている)・
□食事会や飲み会など職場単位で行動する場面において、特定の従業員を意識的に排除している。
□特定の従業員に対して口調がきつい。または無視するような態度がみられる。
□職場で直接的なコミュニケーションがほとんどない。
□価値観の違う人を受け入れたがらない風土がある。

※該当する項目数に応じて、次のように職場規律の乱れの程度が簡易的に判断できますので、参考にして下さい。

該当個数
1~3個:職場規律が乱れる兆候がみられます。現状を確認し、必要な対策を講じて下さい。
4~6個:職場規律の乱れが確実にみられます。できるだけ早急に応急対策を講じて下さい。
7個以上:職場の規律がないに等しい状況にあると思われますので、即座に本格的な対策を講じて下さい。

近年、職場のいじめやパワハラ(パワーハラスメント)に関する労働トラブルも急増しています。
職場のいじめはセクハラ同様、非常に発見しにくいものです。それは人間関係、特に人間の好き嫌いという感情が発端とり、それが次第にいじめに変容し、行動や発言に表れます。いじめは業務命令違反という明確なものではないため、注意指導がしにくいという特徴があり、また、注意指導したとしてもいじめの行為者から言い訳や反論が予想され、また事実関係を立証しにくいというのが現実です。そのため、企業としては注意指導以上の懲戒(制裁)処分などをためらうこともあるでしょう。
しかし、職場にいじめが蔓延すると、力のある者や発言力の強い者に認められた従業員しか職場にはおれなくなり、それ以外の従業員は排除されることになります。そのため定着率はひどく悪くなり、また優秀な人材も流出してしまいます。
また、別の側面として、職場のいじめは、いじめられる従業員にとっては精神的なストレスを強烈に受けてしまうことになるため、心身ともに影響を受け、ひどくなるとうつ病を発症することもあります。

【企業としてどうするべきか】

上司が人間関係を中心に職場の状況を適切に把握しておくべきでしょう。特に、従業員が新しく入ったときは、職場の雰囲気をよく観察しておくとともに、新人はもちろんのこと同じ職場の従業員からも話を聞き、新人の業務の習熟度や人間関係などを把握しておくべきです。

ところで、リーダーや先輩従業員たちは、業務を習得していく過程で新人に高いレベルを求めがちになります。先輩たちはすでに一定以上のレベルにあるためで、できて当たり前という感覚に陥りがちですが、新人にとっては要求レベルが高くなりすぎ、それがプレッシャーとなってかえって失敗を誘発し、そのことがまたいじめの材料になってしまいます。

別の言い方をすると、いじめの対象になっている従業員に対して、先輩従業員は知らず知らずに要求レベルを必要以上に上げて、いじめる理由を作ってしまうのです。これを防ぐためには、新人が業務取得していく内容や基準を1週間目、2週間目……、1ヵ月目、2ヵ月目……という時期を区切って目標を具体的に設定しておくとよいでしょう。

そうすれば、先輩従業員が新人への要求レベルを勝手に引き上げ、過大なことを求めることはなくなります。また、新人にとっても、習得すべき業務課題が明確になっていることで、求められている要求レベルが適当なものか過大すぎるものかがある程度わかりますので、上司に相談しやすくなるでしょう。

また、先輩従業員は、いじめをしていると思っていないこともありますが、いじめを受けている従業員の表情をみればある程度察しがつくことありますから、暗い表情が続いていたり、元気がない、休みがちになる、休憩のときも一人でぽつんといたりすることが多いなどの状況が見られたときには、上司は速やかに時間を作って話を聞くようにした方がよいでしょう。

職場内のいじめ問題に対する対応を誤れば、会社としての責任を追及されるリスクがあります。

そこで、会社としては、常日頃から、パワハラ等に関する社員研修を実施する等していじめに対する社員の意識を高める、あるいは、社会に相談窓口を設置する等の措置を講じることが望ましいと言えます。

これが、職場環境整備義務や、配慮義務を果たすことに繋がります。

また、いじめ問題が発生した場合には、いじめの兆候を捉えた時点で、まず、被害者と目される社員から事情を聴く。その聴き取り内容からいじめの存在がある程度確認できれば、周辺の社員に対する聴き取り等の調査を行う。そして、周辺調査の結果、いじめの事実が真実らしいということであれば、加害者と目される社員から直接事情を聴く、といった段階を踏むことが望ましいと思われます。
その際に注意すべきことは、被害者が加害者による報復などの被害に遭わないよう、十分に配慮することですし、加害者と目される社員に対しても、加害者であることを決めつけたような姿勢で事情を聴くことは避けるという点です。
そして、いじめの事実が確認できた場合には、加害者に一時的な配転や自宅待機命令を出す等して、いじめが出来ない状態を作った上で、懲戒処分等の措置を検討すべきです。
このことが、職場環境改善義務を果たすことに繋がるものと考えられます。

【最後に】

いじめ問題には、会社としての責任を問われるリスクだけでなく、職場の雰囲気が悪くなり社員の士気が下がるといったリスクもあります。

そうしたリスクを避けるためにも、会社としては、未然にいじめを防ぐための完
了整備に努めたいものです。

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