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【大阪難波の社労士】就業規則の必要性とは?作成時の注意点も紹介

2023.11.16 スタッフブログ

大阪難波を中心に企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

一定数以上の従業員を雇用する際に、作成しなければいけないのが就業規則です。しかし、そもそも就業規則の必要性とは何なのでしょうか。

本記事では就業規則の必要性について、作成する際の注意点などと一緒に紹介します。

就業規則の必要性とは?

就業規則とは仕事をする上で従業員が守るべきルールのほか、労働条件などをまとめたものです。会社や職場におけるルールブックといえるでしょう。

就業規則の主な必要性は、次の3つです。

労働基準法で定められている

労働基準法第89条にて、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成が必須と定められています。また10人未満であっても、作成が望まれています。

作成が義務であるにもかかわらず、就業規則がないまま事業を続けていると、労働基準法違反で30万円以下の罰金が科されるため注意しなければいけません。

労働者には正社員だけでなく、パートタイム労働者やアルバイトなど、雇用契約を結んでいるすべての者が含まれます。

参照:富山労働局「就業規則作成の9つのポイント
参照:e-GOV法令検索「労働基準法

従業員の働く意思を統一できる

特に従業員数が多い会社では、すべての従業員の意思を統一するのが難しいところです。しかし、意思の統一ができないと、会社と従業員のエンゲージメントが大きく低下する可能性が生じるでしょう。

就業規則には特定の事業場で働くためのマナーやルールのほか、給与といった待遇なども明文化されています。明文化されたひとつのルールに即して従業員の方向性がそろい、意思の統一につながります。

従業員のトラブルに対処できる

従業員を雇用する上では、以下のような様々なトラブルが発生する恐れがあります。

  • 無断欠勤
  • 遅刻
  • 突発的な退職
  • ハラスメント
  • いじめ
  • 怠慢

トラブルを抱えた従業員が何もペナルティを受けず、そのまま在籍し続けると、他の従業員にも悪い影響を与えかねません。

そのため、一定の規律を定めた就労規則があると、いざトラブルが起きた際も適切に対応できるでしょう。またあらかじめ従業員に内容を知っておいてもらうことで、トラブル発生の防止にもつながります。

就業規則に記載すべき事項

就業規則には必ず記載しなければいけない絶対的必要記載事項と、定めがある場合は記載しなければいけない相対的必要記載事項定めても定めなくても構わない任意的記載事項の3種類があります。

絶対的必要記載事項

  • 始業と終業の時刻
  • 休憩時間
  • 休日
  • 休暇
  • 交替制勤務の場合は就業時転換に関する事項
  • 賃金の決定と計算、支払いの方法
  • 賃金の締切りと支払いの時期
  • 昇給
  • 退職

相対的必要記載事項

  • 退職手当
  • 賞与といった臨時の賃金
  • 最低賃金額
  • 食費や作業用品などの負担
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償や業務外の傷病扶助
  • 表彰
  • 制裁
  • その他ですべての従業員に適用される事項

任意的記載事項は法的な規制がなく、社会通念や公序良俗などを踏まえて、会社ごとに定めます。

参照:厚生労働省「就業規則を作成しましょう

就業規則を作成する際の注意点

就業規則を作成する際は、特に次で紹介する5つの注意点を理解しておくことが大切です。

参照:富山労働局「就業規則作成の9つのポイント

法令や労働協約の内容に従う

就業規則の内容は法令のほか、各事業場で適用される労働協約の内容に従って作成しなければいけません。内容に反する就業規則は該当箇所が無効となり、法令や労働協約の内容に置き換わります。

たとえば「労働基準法では1日の労働時間は8時間だが、当社では1日9時間としよう」と思って就業規則を定めても、1日9時間の部分は1日8時間に修正されてしまうため、注意しましょう。

すべての従業員について定める

正社員やパートタイム労働者、アルバイトといった雇用形態を問わず、働くすべての従業員について就業規則を定める必要があります。

しかし、パートタイム労働者やアルバイトなどの場合、通常とは異なる労働条件が求められるケースは少なくありません。その場合は一般の就業規則のほか、一部の労働者のみを対象とした別の就業規則を作成できます。

事業実態に合わせて作成する

就業規則には会社や事業場ごとのルールが明文化されており、それぞれにおける憲法のような存在です。そのため、実際の事業実態に合わせて作成することが求められます。

厚生労働省で配布している簡易なモデル就業規則(テンプレート)にも、守るべき最低限の事項は網羅されています。しかし、会社や事業所ごとの事情に即している内容とは必ずしもいえず、そのままの形で取り入れるのはおすすめできません。

各種法令や労働協約に精通した社会保険労務士の中には、就業規則の作成をサポートしているところがあります。専門的な観点から、それぞれの適した就業規則の作成をサポートしてもらえるため、相談してみるとよいでしょう。

過半数代表者を選出する

作成した就業規則を労働基準監督署へ提出するときは、労働者の過半数代表者による意見書を添付しなければいけません。

過半数代表者の選出方法にはいくつか注意する点があり、詳細は「【大阪難波の社労士】従業員代表の選出方法!企業が配慮すべきことも紹介」の記事をご覧ください。

従業員へ周知する

労働基準法第106条では、作成した就業規則をすべての従業員へ周知するようにと定められています。

周知する際のポイントは、いつでも自由に確認できることです。最も望ましいのは各従業員への配布ですが、難しい場合は見やすい場所に掲示したり、いつでも見られる場所に備え付けたりするとよいでしょう。

たとえば、上司の許可がないと閲覧できないような場合は、周知している状態といえません。

まとめ

就業規則とは会社や職場で働く上で守るべきルールのほか、給与や休日といった労働条件が明文化されたものです。労働基準法で定められているだけでなく、従業員の意思の統一やトラブル防止といった必要性を持っているため、それぞれの状況に合わせた作成が望まれます。

作成する際は法令や労働協約の内容に沿う、すべての従業員を対象にするといった注意点を頭に入れておきましょう。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。最新の法令に則り、さらに会社や職場ごとの事情に即した就業規則の作成と改定に対応可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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