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【大阪難波の社労士】年収130万円を超えても2年は扶養に入れる!よくある疑問も解説

2023.12.28 スタッフブログ

大阪難波を中心に、全国規模で企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

これまでは130万円の壁により、労働時間を調整しているケースが多く見られていました。しかし、2023年10月より、年収130万円を超えても最大2年間は扶養に入れるようになりました。

本記事では年収130万円を超えても扶養に入れる条件や上限額、130万円の壁の見直しに関するよくある疑問について、わかりやすく解説します。

年収130万円の壁の概要

現在の厚生年金保険と健康保険の制度では、会社員や公務員などの配偶者で一定の収入以下の場合、国民年金の第3号被保険者被扶養者・健康保険の被扶養者となれます。保険料を自身で納付する必要がなく、国民年金では保険料納付済期間として、将来の年金額に反映されるのが特徴です。

年収130万円の壁とは、パート労働者の年収が130万円以上となった際、夫や妻の扶養から外れてしまうことを指します。扶養から外れるため、社会保険料を自身で支払う必要があり、手取りの年収額が減少するのが通常です。

厚生労働省の「令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査」によると、配偶者がいるパートタイム労働者の中で就業調整をしているのは、無期雇用で16.9%、有期雇用で22.2%でした。就業調整をしている理由の中で最も多いのは「一定額(130万円)を超えると配偶者の健康保険、厚生年金保険の被扶養者からはずれ、自分で加入しなければならなくなるから」で、無期雇用と有期雇用のそれぞれで53%・51.6%です。年収の壁によって、就業調整をしている人がいかに多いかがわかります。

また130万円の壁以外にも、103万円の壁と106万円の壁があります。それぞれの壁の違いは「【大阪難波の社労士】103万円・106万円・130万円の壁の違いは?企業が取るべき対応を解説」で解説しているため、ぜひチェックしてみてください。

参照:日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明
参照:全国健康保険協会「被扶養者とは?
参照:厚生労働省「令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査

2023年10月より年収130万円を超えても2年間は扶養に入れる

あらゆる産業において労働力不足が深刻化している中、パートタイムといった短時間労働者が130万円の壁を意識して就業調整しなくても済むよう、厚生労働省は「年収の壁・支援強化パッケージ」を発表しました。パッケージの中では130万円の壁への対応として、一定の条件下で被扶養者認定ができる仕組みづくりをすると述べています。

参照:厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ

年収130万円を超えても2年間は扶養に入れる

事業主が一時的な収入の増加であることを証明すれば、年収が130万円を超えていても被扶養者認定を受けられます。ただし、最大で2年間(連続2回まで)の特例制度のため、130万円の壁自体がなくなったわけではありません。

たとえば、一時的な収入の増加に該当するものは、次のようなものです。

  • 他の従業員が退職や休職し、当該従業員の業務量が増加した
  • 突発的な大口案件により、企業・事業所全体の業務量が増加した

たとえば、パートの時給がアップした場合や継続して支給される手当が設定された場合など、引き続き収入が上がるようなケースでは、一時的な収入の増加として認められません。

事業主の証明様式は厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」から、PDF形式とWord形式でダウンロードできます。

スタート時期

2023年10月20日以降の被扶養者認定と被扶養者の収入確認から、制度がスタートしています。

ただし、期日以前の扶養認定などについては遡及できない点に注意が必要です。

上限額

年収に上限額は設けられていません。ただし、以下の要件に該当する場合は、被扶養者の認定が取り消されるかもしれません。

  • 被扶養者が被保険者と同一世帯に属している:被扶養者の年間収入が被保険者の年間収入を上回る場合
  • 被扶養者が被保険者と同一世帯に属していない:被扶養者の年間収入が被保険者からの援助による収入額を上回る場合

上限額は設けられていないものの、被扶養者の年間収入と被保険者の年間収入(援助による収入額)の関係については注意が必要です。

130万円の壁の見直しに関するよくある疑問

最後に130万円の壁の見直しに関する、よくある疑問について解説します。

フリーランスや自営業も対象となる?

今回の特例はあくまでも事業主の人材不足解消を目的としているため、事業主と雇用関係のないフリーランスや自営業は対象となりません。

ただし、フリーランスや自営業としての収入の他に勤務先からの給与収入もあり、給与収入額が一時的な変動で130万円を超えた場合は、対象となりえます。

被扶養者が60歳以上や障害者の場合はどうなる?

被扶養者が60歳以上、または障害者の場合は、年収要件が180万円未満となります。

事業主が一時的な収入の増加であることを証明すれば、扶養に入れます。

被扶養者でなくなった場合のメリットは?

前述したように、130万円を超えても扶養に入れるのは、最大2年間まで(連続2回まで)です。また一時的な収入増加に限られるため、扶養に入れないケースもあるでしょう。

要件に該当せずに年収が130万円を超えると、社会保険料の加入対象となり、保険料の支払い義務が生じます。保険料の支払いによって出費が増えるものの、厚生年金への加入に伴って、将来受給する年金額が手厚くなるのはメリットです。また健康保険に加入すると、傷病手当金や出産手当金などの対象となります。

まとめ

厚生労働省が発表した「年収の壁・支援強化パッケージ」に基づき、2023年10月より、年収130万円を超えても扶養に入れるようになりました。就業調整せずに働く短時間労働者が増えることで、企業にとっては労働力不足を解消する一助となるでしょう。

ただし、扶養に入れるのは最大2年間まで(連続2回まで)で、一時的な収入増加に限られます。また特例措置のため、壁自体がなくなったわけではありません。最大2年間までの時間的猶予をうまく活用し、今のうちに労働力不足の解消に向けた業務フローの見直しなど、将来に向けた対策を講じると安心です。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。オンラインにも対応し、遠方の方もご利用可能です。給与計算のサポートや労務のアウトソーシングなどに応じているため、ぜひお気軽にご相談ください。

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