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【大阪難波の社労士】外国人アルバイトを雇用するには?雇える在留資格を紹介

2024.02.27 スタッフブログ

大阪難波を中心に、全国規模で企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

人手不足などを理由に「外国人をアルバイトとして雇用したい」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。外国人をアルバイトとして雇う際は、在留資格の種類・内容に注意が必要です。

本記事では外国人アルバイトを雇用できる在留資格について、雇用する際のポイントなどと一緒に紹介します。

外国人をアルバイトとして雇用できる在留資格

日本にいる外国人をアルバイトとして雇用する場合、まずは対象となる外国人が持っている在留カードに記載されている在留資格を見て、アルバイトできる資格を持っているかどうかをチェックしましょう。在留資格の種類によってアルバイトの可否、時間数などが異なるためです。また同時に在留期間も確認し、期間を超過している場合は雇用できません。

アルバイトとして雇用できる主な在留資格は、次の通りです。

  • 留学
  • 家族滞在
  • 文化活動
  • 特定活動
  • 永住者
  • 定住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等

上記のうち、留学・家族滞在・文化活動に該当する場合は、さらに資格外活動許可が必要です。在留カード裏面の資格外活動許可欄やパスポート上にある資格外活動許可証印、資格外活動許可書などで確認できます。

以下で主な在留資格の詳細を見ていきましょう。

留学

資格外活動の許可を得ている留学生は、アルバイトとして雇用できます。ただし、以下3つの注意点があります。

  • アルバイトできるのは残業時間を含めて週28時間以内
  • 学校の長期休暇中のみ1日8時間(週40時間)までアルバイト可能
  • 風俗営業などに就くことは禁止(パチンコ店・マージャン店・キャバレー・性風俗関連の店など)

週28時間以内とは、アルバイト先1カ所における上限ではありません。2カ所以上でアルバイトを掛け持ちする場合、すべてのアルバイト先の労働時間を合計して、週28時間以内です。

また学校の長期休暇中とは、学則で決まっているものに限られます。

家族滞在

特定の在留資格を持っている外国人から、扶養を受けている配偶者とその子どもに認められるのが、家族滞在の在留資格です。

留学と同様に資格外活動の許可を得ていれば、週28時間以内のアルバイトが認められます。ただし、風俗営業などに就くのは禁止です。

文化活動

文化活動とは収入を伴わない学術上や芸術上の活動、日本特有の文化や技芸に関する専門的な研究活動、専門家の指導を受けて日本特有の文化や技芸を修得する活動などをするための在留資格のことです。留学や家族滞在と同じように、資格外活動の許可を得ることでアルバイトができます。

アルバイト可能な時間制限については、申請する際に個別に決定されるのが特徴です。

特定活動

特定活動にはワーキングホリデーやインターンシップ、本邦の大学卒業者などが該当します。

特定活動の種類によって「どこでも働ける」「特定の企業でのみ働ける」「フルタイムで働ける」「週28時間まで働ける」など、就労制限の内容が異なります。外国人本人が理解しないままアルバイトの面接に来ることがあるため、必ず雇用する側で詳細を確認しなければいけません。

特定活動の在留資格所持者でアルバイトの面接に来るのは、出国準備や就職活動に向けた特定活動などで在留している元学生が多いでしょう。在留カードの表面に「就労不可」と記載あっても、裏面の資格外活動許可欄にスタンプが押してある場合は、週28時間までのアルバイトが認められています。

永住者や定住者

永住者や定住者の在留資格を持っている外国人は、制限なくアルバイトできます。

ただし、定住者は在留期間に制限があるため、面接の際に必ずチェックしておくことが大切です。

外国人アルバイトの不法就労は処罰の対象

アルバイトできる資格を持っていない外国人を雇用すると、不法就労になってしまいます。たとえば、以下のようなケースが考えられるでしょう。

  • 密入国やオーバーステイの外国人が働く
  • 観光や知人訪問が目的で入国した外国人が働く
  • 留学生が資格外活動の許可を得ずに働く
  • 国の管理局から認められた範囲を超えて働く

不法就労した本人だけでなく、就労させた事業主も処罰の対象となり、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金に科される可能性があります。そのため、外国人をアルバイトとして雇う際は、在留資格を念入りにチェックすることが大切です。

参照:茨城県「外国人を雇用する事業主の皆様へ

外国人をアルバイトとして雇用する際のポイント

せっかく外国人をアルバイトとして雇うなら、双方にとってWin-Winの関係となりたいものです。以下で紹介するポイントを念頭に置いて、採用活動を進めていくとよいでしょう。

面接前に相手に関する情報を勉強しておく

面接に来た外国人に「ここで働きたい」と思ってもらえるよう、事前に相手に関する情報を勉強しておくのがおすすめです。出身地・言語・文化・食べ物・宗教などについて、インターネットなどでざっと調べておくと、相手の緊張がほぐれて面接時の話しが弾みます。

特に宗教によっては食べ物に制限があったり、勤務中にお祈りの時間を確保したりする必要が出てくるでしょう。面接時に要望があったときに備えて、あらかじめ対応方法を検討しておくとスムーズです。

日本語の能力をチェックする

仕事内容によって差があるものの、どのようなアルバイトをするにも一定の日本語能力が求められます。そのため、業務遂行に問題がないかどうか、面接時に日本語の能力をチェックしておくとよいでしょう。

日本語を勉強中の外国人にも理解しやすいよう、次のように難しい言葉や曖昧な言葉は使わないことがポイントです。

  • ここに記入してください→ここに書いてください
  • 通勤時間は何分ですか?→家からここまで、何分ですか?
  • 結構です→良いです。または、いりません

相手の理解度に合わせて、日本語の表現方法を変えてみましょう。

参照:文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン

職場環境を整える

採用後に安心して働けるよう、職場環境を整えます。一緒に働く他の従業員に対して、外国人と働く心構えや配慮するべき点などについて伝えておくと、スムーズな受け入れにつながります。

また外国人が業務内容やフローを理解できるよう、写真やイラスト、わかりやすい日本語などでマニュアルを整備するのも効果的です。

小まめにコミュニケーションをとる

勤務が始まった後に困っていることがあっても、日本語に自信がない外国人の中には、上司や同僚に相談できないケースが少なくありません。トラブルや悩みを早期に解決できないと、仕事に支障を来たすだけでなく、そのまま退職してしまうことも考えられます。

そのため「困っていることや悩んでいることがないかを尋ねる」など、雇用する側からの小まめなコミュニケーションが欠かせません。また外国人や海外に慣れている従業員がいれば、メンターや教育係として担ってもらうのもよいでしょう。

助成金を活用する

外国人をアルバイトとして雇用する場合は、厚生労働省の「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」を活用できます。外国人特有の事情に配慮した職場環境を整備や、職場定着に関する経費の一部を助成するものです。

支給額は以下の通りです。

区分 支給額(上限額)
賃金要件を満たしていない場合 支給対象経費の1/2(上限額57万円)
賃金要件を満たす場合 支給対象経費の2/3(上限額72万円)

支給対象となる経費は、通訳費・翻訳機器導入費・翻訳料・弁護士や社会保険労務士などへの委託料・社内標識類の設置や改修費です。

参照:厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

まとめ

外国人をアルバイトとして雇用する際は、それぞれが持っている在留資格をチェックしましょう。留学・家族滞在・文化活動の場合は、さらに資格外活動許可が必要です。

また雇用後は安心して働けるよう、職場環境の調整や小まめなコミュニケーションなどが欠かせません。外国人にとって働きやすい職場は、今後の人材採用や定着などにプラスの影響を与えます

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。オンラインにも対応し、遠方の方もご利用可能です。外国人を雇用する際のサポート全般に応じているため、ぜひお気軽にご相談ください。

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