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中小企業退職金共済(中退共)とは?

2025.03.19 スタッフブログ

中小企業退職金共済(中退共)とは、退職金制度の充実を目的に中小企業のために設けられた公的な共済制度です。

独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営し、企業が掛金を納付することで、従業員が退職時に退職金を受け取ることができます。

中小企業退職金共済(中退共)国の助成制度とは?

中退共に加入する中小企業には、国からの助成制度があります。

具体的には以下のような助成が受けられます。

新規加入助成

掛金の2分の1(上限5,000円)が最大12か月間助成される。

掛金増額助成

掛金を増額する場合、増額分の3分の1(上限5,000円)が最大12か月間助成される。

この助成制度を活用することで、企業の負担を軽減しながら退職金制度を整備できます。

中小企業退職金共済(中退共)加入の条件とは?

中退共に加入できる企業は、以下の条件を満たす中小企業です。

業種 資本金または出資額 常時使用する従業員数
製造業・建設業・運輸業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

これらの条件を満たす企業は、従業員と合意の上で中退共に加入できます。

中小企業退職金共済(中退共)の掛金とは?

中退共の掛金は、企業が負担し、毎月納付する形となります。

掛金額

5,000円~30,000円の範囲で選択可能。

企業負担

全額企業が負担。

税制優遇

掛金は全額損金算入可能。

企業の財務状況に応じて、無理のない範囲で掛金を設定できます。

知っておきたい掛金の管理・運用、給付方法

掛金の管理・運用

企業が毎月納付した掛金は、中退共が運用し、従業員の退職時に退職金として支払われます。

運用益がある場合、それが退職金の増額に反映される仕組みです。

給付方法

退職金の給付は、退職時に従業員本人に直接支払われます。

給付額は、掛金の納付期間と掛金額に応じて決まります。

中小企業退職金共済(中退共)に加入している企業から転職した場合どうなる?通算制度とは?

中退共では「通算制度」が設けられており、以下のケースで退職金の通算が可能です。

同じ中退共制度に加入している別の企業へ転職

掛金の納付期間を引き継げる。

他の退職金共済制度に加入している企業へ転職

一定の条件下で移管が可能。

これにより、転職しても退職金の不利益を最小限に抑えることができます。

会社が中小企業退職金共済(中退共)をやめるとどうなるの?

企業が中退共を脱退すると、以下の影響があります。

  • 掛金の納付が停止
  • 退職金は企業脱退時点までの納付分に基づいて支給
  • 従業員への説明が必要(企業の都合で脱退する場合、従業員の不利益を最小限にするための対応が求められる)

中小企業退職金共済(中退共)から企業型確定拠出年金(DC)への制度移管や併用が可能

中退共と企業型確定拠出年金(DC)の併用や制度移管は可能です。

併用する場合

中退共と企業型DCの両方に掛金を拠出可能。

移管する場合

移管制度を利用して、DCへ資産を移動できる(ただし、条件があるため事前確認が必要)。

中小企業退職金共済(中退共)の手続きとは?

新規に加入する場合

  1. 企業が申し込み書を作成し、関係書類とともに提出
  2. 掛金を決定し、毎月納付を開始
  3. 従業員へ説明し、同意を得る

中小企業でなくなった場合

企業が中小企業の範囲を超えた場合、特例として引き続き加入可能ですが、条件が変わることがあります。

まとめ

中退共は、中小企業の従業員の退職金制度をサポートする公的制度であり、国の助成制度を活用すれば、企業負担を抑えながら充実した退職金を準備できます。

転職時の通算制度や企業型確定拠出年金(DC)との併用も可能なため、自社の状況に応じて活用を検討しましょう。

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