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【完全ガイド】労働契約の基礎知識と実務対応|雇用契約・業務委託契約の違いを解説
労働契約とは?
労働契約とは、企業と労働者が結ぶ契約で、労働の対価として賃金を受け取ることを定めたものです。
労働基準法や労働契約法に基づき、企業は適正な労働条件を提示する義務があります。
「労働契約」「雇用契約」と「業務委託契約」の違い
労働契約(雇用契約)と業務委託契約は、契約の性質や法的な適用範囲が異なります。
項目 | 労働契約(雇用契約) | 業務委託契約 |
法的根拠 | 労働基準法・労働契約法 | 民法 |
指揮命令 | 企業の指示を受ける | 受けない |
労働時間 | 企業が管理 | 自由 |
報酬 | 給与(最低賃金適用) | 成果報酬 |
社会保険 | 企業が加入義務あり | 原則自己負担 |
労働契約の基本原則
労働契約法では、以下の3つの原則が定められています。
✅ 合意の原則:労使双方の合意に基づく契約が基本
✅ 就業規則の適用原則:契約内容は就業規則の範囲内で決められる
✅ 不利益変更の禁止:労働者に不利な変更は原則無効
労働契約の締結と明示義務
企業は、労働契約を締結する際に**「労働条件の明示」**を行う必要があります。
労働条件の明示(労働基準法第15条)
契約締結時に、書面または電子交付で労働条件を通知することが義務付けられています。
【必須の明示事項】
- 雇用契約の期間
- 勤務地・業務内容
- 労働時間・残業の有無
- 賃金(支払い方法・締切日)
- 退職・解雇の条件
契約期間と雇用形態
契約期間は、原則3年以内(特定条件下で5年まで)と定められています。
契約の種類 | 特徴 |
無期雇用契約 | 期間の定めなし、長期雇用 |
有期雇用契約 | 契約期間を設定(最大3年、特例で5年) |
労働契約の変更
労働条件を変更する場合、労働者の同意が必須です。
企業側は「労働条件変更通知書」を発行し、変更内容を明確に示すことが求められます。
変更の際のポイント
✅ 変更の理由を明確にし、労働者の理解を得る
✅ 変更内容を事前に通知し、同意を得る
✅ 労働条件変更通知書を発行し、記録を残す
労働契約の終了
労働契約の終了には、以下のようなケースがあります。
✅ 労働者の自己都合退職
✅ 会社都合退職(解雇・リストラ)
✅ 契約期間の満了
企業が解雇を行う場合は、30日以上前の予告、または解雇予告手当の支払いが必要です。
就業規則と労働契約の関係性
就業規則は、企業の労働条件の基準を定めたものです。
労働契約と就業規則の内容が異なる場合、労働者に有利な条件が優先されます。
労働契約に関する実務対応
雇用契約書と就業規則がない
企業は、最低限、雇用契約書を作成し、労働条件を明示する必要があります。
雇用契約書しかない
従業員10人以上の企業は、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
就業規則しかない
労働者ごとの個別契約を明確にするため、雇用契約書を作成することが望ましいです。
雇用契約書と就業規則の内容が異なる
労働者にとって有利な条件が適用されるため、矛盾を解消する必要があります。
実態と契約書の内容が違う
実態と契約内容に相違がある場合、トラブル防止のためにも早急な修正が求められます。
募集時の条件と実際の労働契約が異なる
求人情報と実際の労働条件が異なると、**労働基準法違反(虚偽表示)**となるリスクがあります。
事前に正確な情報を提示し、労働者と誤解のない契約を結ぶことが重要です。
まとめ
✅ 労働契約は企業と労働者の合意によって成立する
✅ 契約締結時には「労働条件の明示」が必須
✅ 労働条件の変更時は「労働条件変更通知書」の発行が推奨される
✅ 就業規則は労働契約と密接に関係し、矛盾がある場合は労働者に有利な条件が適用される
✅ 実態と契約の内容が異なる場合、迅速な修正が必要
適切な労働契約の管理を行い、企業のコンプライアンスを強化しましょう!
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