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就業規則に基づく解雇の正当性とは?企業が守るべきポイントを解説

2025.04.28 社労士コラム

企業にとって、従業員の解雇は慎重に行うべき重大な判断です。とりわけ、「就業規則」に基づく解雇を行う際には、その内容が明確かつ合理的であることが求められます。もし曖昧な規定のもとで解雇を実行すれば、不当解雇としてトラブルに発展するリスクも。今回は、「就業規則 解雇」に関する基本知識から、企業が押さえておくべきポイント、トラブルを防ぐための具体策までを解説します。

就業規則で定めるべき解雇事由とは?

就業規則には、会社が従業員を解雇できる具体的な事由を明記しておく必要があります。これは、解雇の正当性を裏付ける重要な根拠になるためです。

例えば、「重大な服務規律違反」「著しい勤務態度不良」「無断欠勤が一定日数以上継続した場合」「業務命令への繰り返しの違反」など、客観的かつ合理的な理由を列挙しておくことが大切です。曖昧な表現は避け、誰が見ても理解できるように書くことで、後々のトラブル防止につながります。

また、懲戒解雇・普通解雇・整理解雇といった形態ごとに解雇事由を明示しておくと、より透明性が高まります。

解雇時に気をつけたい運用と手続きの注意点

解雇の正当性は、就業規則に記載されているだけでは足りません。実際の運用でも、以下のような点に注意が必要です。

まず、解雇の前には可能な限り「是正の機会」を設けましょう。注意指導、指導記録、面談履歴などをしっかり残し、段階を踏んで対応してきたことを示すことが重要です。

さらに、解雇を通知する際は、理由を明確にし、本人にも説明責任を果たすことが求められます。就業規則に則っていても、手続きが不十分だと不当解雇と判断される可能性があります。

また、労働基準監督署への届け出や、労働契約法上の「合理的理由・社会通念上の相当性」の観点も忘れてはなりません。弁護士や社労士と連携しながら、慎重に進めましょう。

具体例:無断欠勤を理由とする解雇対応

ある社員が、連絡なしに10日以上欠勤を続けている場合、就業規則に「正当な理由なく〇日以上欠勤した場合、解雇の対象となる」と明記されていれば、解雇の根拠は明確です。

しかし、ただちに解雇するのではなく、まずは電話や書面で連絡を試み、状況確認を行うのが基本です。その上で、警告書を送付し、出勤を促す段階を踏むことで、万が一裁判になった場合も企業側の対応が評価されやすくなります。

まとめ

就業規則に基づく解雇は、法的リスクを伴う繊細な対応が求められます。解雇事由を明確に定義すること、手続きと運用の整合性を保つこと、そして従業員への説明責任を果たすことが、トラブル回避の鍵です。

「就業規則 解雇」に関する制度設計や運用に不安がある場合は、専門家に相談しながら、自社の規定や対応を見直すことをおすすめします。企業の信頼性を高め、従業員との健全な関係を築くためにも、今一度、就業規則を点検してみてはいかがでしょうか。

 

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