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勤怠管理システム選び方のポイントを解説します!

2024.08.23 社労士コラム

近年、働き方改革や人手不足が叫ばれる中、従業員の勤怠管理は企業にとって重要な課題となっています。
従来の紙ベースやExcelでの管理では、集計作業の負担や不正打刻の懸念、法令遵守への不安など、多くの課題を抱えていました。

そこで注目されているのが、勤怠管理を効率化し、正確な労働時間管理を実現する「勤怠管理システム」です。
本記事では、勤怠管理システム導入のメリット、選び方のポイント、導入前に知っておくべき注意点などを解説していきます。

勤怠管理システムとは?

勤怠管理システムは、従業員の労働時間を正確に把握し、管理するためのシステムです。
近年では、クラウド型のサービスが増え、中小企業でも導入しやすくなりました。

勤怠管理システム導入のメリット

勤怠管理システムを導入することで、正確な勤怠管理を実現できるだけでなく、コストの削減や法令順守が可能となり、企業の持続的な成長へとつながります。

1:コスト削減

勤怠管理システム導入によって、人件費削減や業務効率化によるコスト削減が期待できます。

・人件費削減

従来、勤怠管理は人手に頼っていたため、担当者の残業時間が増え、人件費がかさんでいました。

しかし、勤怠管理システムを導入することで、自動集計やデータ分析が可能となり、担当者の業務負担を軽減できます。
その結果、残業時間の削減や人員の削減に繋がり、人件費の抑制につながります。

・業務効率化

勤怠管理システムの導入によって、勤怠情報の入力、集計、分析といった業務が自動化され、担当者の作業時間が大幅に短縮されます。
余った時間で、より付加価値の高い業務に集中できるようになり、業務効率が向上します。
また、システムによるデータ管理により、紙ベースでの管理に比べて、情報共有や検索が容易になり、業務の効率化に貢献します。

・間接費削減

紙ベースのタイムカードや書類管理にかかる費用が削減できます。
また、システム導入によって、従業員の不正行為を抑制し、不正による損失を減らすことも可能です。

2:法令順守

勤怠管理システムは、労働基準法や36協定などの法令遵守を支援します。

・労働時間管理の徹底

正確な労働時間管理を可能にすることで、時間外労働の抑制や残業時間の管理を徹底することができます。
法定労働時間の超過を防ぎ、労働基準法違反のリスクを軽減できます。

・36協定の遵守

36協定の内容をシステムに登録することで、時間外労働時間の上限や割増賃金の計算を自動で行うことができます。
36協定違反を防ぎ、労使トラブルを予防する効果が期待できます。

・休暇取得の促進

システムによる休暇管理機能を活用することで、従業員の休暇取得状況を把握し、休暇取得の促進を図ることができます。
労働時間の管理だけでなく、従業員の健康管理にも役立ちます。

3:従業員満足度向上

勤怠管理システムの導入は、従業員にとってもメリットがあります。

・打刻作業の簡素化

従来、タイムカードへの打刻や紙ベースの勤怠申告など、煩わしい作業が求められていましたが、勤怠管理システムを導入することで、スマートフォンやパソコンでの簡単打刻が可能になります。
従業員の負担を軽減することで、業務への集中力を高め、生産性向上に繋がる可能性があります。

・休暇取得の促進

システムによる休暇管理機能を活用することで、従業員の休暇取得状況を把握し、休暇取得の促進を図ることができます。
従業員は、休暇申請の手続きが簡素化され、取得しやすい環境になるため、ワークライフバランスを充実させ、より働きやすい環境を実現できます。

・透明性の向上

勤怠管理システムを導入することで、従業員は自身の労働時間や休暇取得状況をいつでも確認することができます。
透明性の向上により、従業員は安心して仕事に取り組むことができ、会社への信頼感も高まります。

勤怠管理システムの選び方

1:従業員が関わる主な機能

・さまざまな打刻機能

出退勤の打刻は、各勤怠管理システムによってさまざまな方法が用意されています。
PCやスマホ、タブレットを利用しWEB上で打刻する方法や、ICカード、スマホアプリ、顔認証や静脈認証、ビジネスチャットと連係した打刻など、業態や従業員の使いやすさを考慮して選ぶのがポイントです。
いくつかの打刻機能を組み合わせて使うこともできます。

・打刻・申請漏れの対策機能

打刻や申請の抜け・漏れを検出し、本人や上司、管理者などに通知してくれる機能があると便利です。
また、月の残業が一定時間を超えた場合に通知してくれるといった提示した条件に応じてアラート表示する機能があると、長時間労働を未然に検知することができます。

2:管理職が関わる主な機能

・勤務時間の自動計算・集計

出退勤の打刻データから、勤務時間や残業時間などの計上・集計を自動で行う機能です。
従業員の勤務状況をリアルタイムで把握できると、勤務実績や打刻の確認などが簡単に行えます。
フレックスタイム制や在宅勤務など、多様な働き方にも対応できます。

・申請・承認機能

残業や休日出勤、休暇等の申請・承認を行う機能です。
承認が完了すると、申請内容が出勤簿に反映され、すべての手続きがシステム上で完結します。

3:人事・経理担当等が関わる主な機能

・休暇管理機能

年次有給休暇や夏季休暇などの各種休暇の付与を自動で行う機能です。
有給休暇の取得義務日数を下 回っている従業員を自動検出し、通知する機能を備えたサービスもあります。

・給与計算ソフト連係

勤怠管理システムを選ぶ際に、給与計算ソフトとの連係は重要なポイントです。
給与計算ソフトとの連係には、CSV連係とAPI連係があります。
CSV連係は、連係元の勤怠管理システムから勤怠データをExcel・CSV形式に書き出し、内容を整えて連係先の給与計算ソフトに読み込む方法です。

一方、API連係は、書き出しやインポート処理をする必要がなく、連係元のデータを自動で取得し共有できる方法です。

勤怠管理システム導入前に知っておくべきこと

1:セキュリティ対策

勤怠管理システムには、従業員の個人情報が登録されているため、情報の保護対策は万全でなければなりません。
システムの提供元がどのようなセキュリティ対策を講じているか、事前にしっかりと確認しておきましょう。

2:運用

システム導入後、スムーズに運用できるよう、以下の点も事前に検討しておきましょう。

・導入後のサポート体制
導入後のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。
システムの操作方法やトラブル発生時の対応など、適切なサポートが受けられるかどうかを確認することで、安心して導入を進めることができます。

・従業員への教育
システム導入にあたっては、従業員への教育が不可欠です。
従業員がシステムを正しく理解し、スムーズに操作できるように、導入前に丁寧な説明や研修を行いましょう。

・データ移行
従来の勤怠管理システムからデータを移行する場合、データ移行の作業がスムーズに行えるかを確認しましょう。
システム提供元がデータ移行のサポートを提供しているか、移行作業にかかる時間や費用などを事前に確認しておきましょう。

まとめ

勤怠管理システムの導入は、企業にとって多くのメリットをもたらします。
本記事で紹介した内容を参考に、自社の課題やニーズに合ったシステムを選び、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
勤怠管理システムの導入により、業務効率化、コスト削減、法令順守、従業員満足度向上など、さまざまな効果が期待できます。
効率的な勤怠管理を実現し、企業の成長に繋げましょう。

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