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退職金制度の種類と選び方|導入メリットやデメリットも解説

2024.11.05 社労士コラム

退職金制度は、従業員にとって長く勤め続けるモチベーションを高め、企業にとっても人材確保や定着率向上に役立つ制度です。
しかし、制度の種類や導入メリット・デメリットなど、理解すべき点は多く、導入を検討する企業は、自社にとって最適な制度を選択する必要があります。

今回は、退職金制度の種類、特徴、メリット・デメリットを解説することで、企業が安心して導入を進めるための支援を行います。

□退職金制度の種類と特徴

退職金制度は、大きく分けて「自社準備型」「企業年金型」「退職金共済型」の3つがあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解することで、自社に最適な制度を選ぶための基礎知識が得られます。

1: 自社準備型

自社準備型は、企業が独自に資金を積み立て、退職時に従業員に支給する制度です。
企業が自由に制度設計できるため、自社の経営状況や従業員のニーズに合わせた柔軟な運用が可能です。

2: 企業年金型

企業年金型は、企業が年金保険会社と契約し、従業員が退職後に年金を受け取れる制度です。
企業は年金保険会社に資金を積み立て、従業員は退職後に年金を受け取ります。
企業年金型は、自社準備型に比べて制度設計が複雑で、専門的な知識が必要となります。

3: 退職金共済型

退職金共済型は、退職金共済制度に加入することで、従業員が退職後に共済金を受け取れる制度です。
退職金共済制度は、中小企業向けの制度で、企業が負担する費用が少なく、制度設計も比較的簡単です。

□退職金制度導入のメリット・デメリット

退職金制度を導入することで、従業員のモチベーション向上や人材確保、安定した経営を実現できるなど、多くのメリットがあります。
しかし、制度の運用コストや廃止の難しさなど、デメリットも存在します。

1: メリット

・従業員のモチベーション向上
退職金制度は、従業員の長期的な勤続意欲を高める効果があります。
特に、年齢を重ねたベテラン社員にとって、退職金は将来の生活設計において重要な要素となるため、定年まで働き続けたいという意欲を高めることができます。

・人材確保
退職金制度は、企業にとって優秀な人材を獲得する上で、大きな魅力となります。
特に、競合他社と比較して、退職金制度が充実している企業は、人材獲得競争において優位に立つことができます。

・経営の安定化
退職金制度は、従業員が退職した後に、生活費を確保できる制度であるため、生活不安を軽減し、安定した経営に貢献します。
また、退職金制度を導入することで、従業員は退職後も企業とつながりを持ち続けることができます。

・企業イメージの向上
退職金制度は、企業の福利厚生制度の一つとして、従業員だけでなく、社会全体から好意的に捉えられます。
退職金制度を導入することで、企業イメージの向上に繋がり、企業ブランド力を強化することができます。

2: デメリット

・運用コスト
退職金制度を導入するには、毎年の積み立て費用や運用費用など、多額の費用が必要となります。
中小企業にとっては、経営上の負担となる可能性があります。

・廃止の難しさ
一度導入した退職金制度を廃止することは、従業員の反発を招き、企業イメージを損なう可能性があります。
そのため、制度導入時には、将来的な廃止を考慮した上で、慎重に検討する必要があります。

・制度設計の複雑さ
退職金制度は、法律や税制の知識が必要となるため、制度設計が複雑で、専門家のサポートが必要となる場合があります。

・従業員とのコミュニケーション
退職金制度の導入や変更は、従業員に大きな影響を与えるため、事前に十分な説明と意見交換を行うことが重要です。
従業員とのコミュニケーション不足は、制度導入後のトラブルに繋がる可能性があります。

□まとめ

退職金制度は、従業員にとって魅力的な制度であり、企業にとっても人材確保や定着率向上に役立ちます。
しかし、導入には費用や制度設計の複雑さ、廃止の難しさなどの課題も存在します。
企業は、自社の経営状況や従業員のニーズを考慮し、メリットとデメリットを比較検討した上で、最適な退職金制度を選択することが重要です。

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