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深夜手当計算早わかり!基本から複雑なケースまで

2025.02.27 社労士コラム

深夜手当の計算、意外と複雑ですよね。
特に、時間外労働や休日出勤と重なった場合の計算は、人事担当者にとって頭を悩ませる問題の一つではないでしょうか。
法的な注意点も踏まえなければならず、正確な計算は不可欠です。
今回は、深夜手当の基本的な計算方法から、複雑なケース、そして法的な注意点まで、順を追って解説します。
人事担当者の皆様の業務効率化に少しでも貢献できれば幸いです。

深夜手当の基本と計算方法

深夜手当とは何か

深夜手当とは、労働基準法に基づき、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合に、通常の賃金に加えて支払わなければならない割増賃金です。
この時間帯に労働させた場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

深夜労働時間帯と割増率

深夜労働時間帯は、原則として午後10時から午前5時までとされています。
ただし、厚生労働大臣が必要と認めた地域や期間においては、午後11時から午前6時までとなる場合があります。
割増率は、25%以上となっています。

1時間当たりの賃金の算出方法

1時間当たりの賃金は、給与形態によって算出方法が異なります。

・月給の場合:月給額 ÷ 月平均所定労働時間数
・週給の場合:週給額 ÷ 週平均所定労働時間数
・日給の場合:日給額 ÷ 1日の平均所定労働時間数

月平均所定労働時間数は、(365日 − 年間休日数) ÷ 12ヶ月 × 1日の所定労働時間 で計算できます。
時給の場合は、時給額がそのまま1時間当たりの賃金となります。
基本給に加え、役職手当や地域手当など、通常支給される手当は含めますが、家族手当、通勤手当、住宅手当などは除外されるのが一般的です。

深夜手当計算の基本式

深夜手当の計算の基本式は以下の通りです。

深夜手当 = 1時間当たりの賃金 × 深夜労働時間数 × 割増率 (0.25)

計算例1 基本的な深夜労働の場合

Aさん:1時間当たりの賃金 1,500円、深夜労働時間 2時間の場合

深夜手当 = 1,500円 × 2時間 × 0.25 = 750円

計算例2 時間外労働と深夜労働が重なった場合

Bさん:1時間当たりの賃金 1,500円、時間外労働 3時間、深夜労働 2時間の場合

時間外労働分:1,500円 × 3時間 × 0.25 = 1,125円
深夜労働分:1,500円 × 2時間 × 0.25 = 750円
合計:1,125円 + 750円 = 1,875円

計算例3 休日出勤と深夜労働が重なった場合

Cさん:1時間当たりの賃金 1,500円、休日出勤 4時間、うち深夜労働 2時間の場合(法定休日)

休日出勤分:1,500円 × 4時間 × 0.35 = 2,100円
深夜労働分:1,500円 × 2時間 × 0.25 = 750円
合計:2,100円 + 750円 = 2,850円

深夜手当計算の注意点とよくある質問

18歳未満の深夜労働

18歳未満の深夜労働は、原則として禁止されています。
例外として、交代制勤務の16歳以上の男性など、一定の条件を満たす場合のみ認められます。

管理職への深夜手当の適用

管理監督者(管理職)は、労働基準法の労働時間に関する規定の適用除外とされていますが、深夜手当は支給されます。

固定残業代制度と深夜手当

固定残業代に深夜労働が含まれているか、含まれていないかを確認する必要があります。
含まれていない場合は、別途深夜手当を支払う必要があります。

端数の処理方法

1円未満の端数は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げるのが一般的です。

まとめ

今回は、深夜手当の計算方法について、基本的なケースから時間外労働や休日出勤を組み合わせた複雑なケースまで解説しました。
18歳未満の深夜労働の禁止や管理職への深夜手当の適用など、法的な注意点にも触れ、人事担当者の皆様の業務の参考になれば幸いです。
深夜手当の計算は複雑なため、計算方法を理解し、ミスなく正確に計算することが重要です。
不明な点があれば、専門機関への相談も検討してください。
正確な計算を行うことで、従業員のモチベーション維持と円滑な労務管理に繋がります。
法令遵守を徹底し、従業員との信頼関係を構築することが重要です。

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