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給与支払いのタイミングとは?経営者のための基礎知識

2025.03.27 社労士コラム

給与支払いのタイミングは、企業経営にとって重要な要素です。
従業員の生活を支えるだけでなく、会社の資金繰りにも直結するため、適切な設定が求められます。
支払いのタイミングを間違えると、従業員のモチベーション低下や資金不足といった問題に繋がることがあります。
今回は、給与支払いのタイミングに関する法律、実務的な側面、そして資金繰りへの影響について解説します。

給与支払いのタイミングを徹底解説

法律で定められた給与支払いのルール

労働基準法では、賃金の支払についていくつかの原則が定められています。
これは「賃金支払いの5原則」と呼ばれ、通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないとされています。
これらの原則に違反すると、罰則が科される可能性があります。
一定期日払いの原則は、給与支払日を毎月同じ日にする必要があることを意味します。
「毎月25日払い」のように、具体的な支払日を事前に決めておくことが重要です。

給与支払いのタイミングは当月?翌月?

給与支払いのタイミングは、大きく分けて「当月払い」と「翌月払い」があります。
当月払いは、締め日から支払日までが同月となる方法です。
例えば、15日締め当月25日払いの場合、前月16日から当月15日までの勤務分が25日に支払われます。

一方、翌月払いは、締め日の翌月に支払われる方法です。
例えば、月末締め翌月25日払いの場合、前月の1日から月末までの勤務分が翌月25日に支払われます。
どちらの方法を選ぶかは、会社の状況や従業員の希望などを考慮して決定する必要があります。

給与支払いのタイミングを決める際の3つのポイント

給与支払いのタイミングを決める際には、以下の3点を考慮することが重要です。

・雇用形態:正社員、パート、アルバイトなど、雇用形態によって支払いの頻度やタイミングが異なる場合があります。
正社員は月払いが多いですが、パートやアルバイトは週払い、日払いといったケースもあります。

・給与計算期間:給与計算には、労働時間集計、残業代計算、社会保険料計算など、多くの作業が必要です。
締め日と支払日の間に十分な時間的余裕を持たせることが重要です。
支払日が近いと、計算ミスや事務処理の遅延につながる可能性があります。

・資金繰り:給与支払いは、企業にとって大きな支出です。
支払日が会社の資金繰り状況に影響を与えないよう、入金状況を考慮して設定する必要があります。
資金繰りが厳しい時期に給与支払日が重なることを避けるため、事前に資金計画を立て、余裕を持ったスケジュールを設定することが大切です。

給与支払いのタイミング変更時の注意点

給与支払いのタイミングを変更する際には、いくつかの点に注意が必要です。

・就業規則の変更:給与支払いのタイミングは、就業規則に明記されていることが一般的です。
変更する場合は、就業規則を改定し、従業員に周知する必要があります。

・社会保険手続き:社会保険の手続きは、給与支払いのタイミングに影響を受ける場合があります。
変更する場合は、社会保険事務所への届け出など、必要な手続きを済ませておく必要があります。
特に、4~6月の変更は、社会保険料の計算が複雑になるため避けることが推奨されます。

・従業員への説明:給与支払いのタイミングの変更は、従業員の生活に影響を与える可能性があります。
変更前に、従業員に十分な説明を行い、理解と協力を得ることが重要です。

給与支払いのタイミングと資金繰り

給与支払いによる資金流出の予測

給与支払いは、企業にとって大きな資金流出となります。
毎月の給与総額を正確に把握し、資金繰り計画に組み込むことが重要です。
給与支払額の予測には、従業員の給与、賞与、社会保険料などを考慮する必要があります。

資金繰り対策と給与支払いのスケジュール調整

資金繰りに余裕がない場合、給与支払いのスケジュールを調整することで対応できます。
例えば、支払日を遅らせる、支払方法を見直すなどの方法があります。
しかし、労働基準法に反しない範囲で行う必要があります。

給与支払いのタイミングと事業計画

給与支払いのタイミングは、事業計画にも影響を与えます。
事業計画を作成する際には、給与支払いを考慮し、資金繰り計画を立てておく必要があります。
予期せぬ資金不足を防ぐために、余裕を持った計画を立てることが重要です。

まとめ

給与支払いのタイミングは、法律、実務、資金繰り、事業計画など、様々な要素を考慮して決定する必要があります。
当月払い、翌月払いそれぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の状況に最適な方法を選択することが重要です。
変更する際は、就業規則の変更、社会保険手続き、従業員への説明など、必要な手続きをきちんと行う必要があります。
常に資金繰り状況を把握し、余裕を持った計画を立てることで、従業員と会社の双方にとって好ましい状況を維持できます。

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