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欠勤控除の基礎知識!給与明細記載とよくある間違い
欠勤による給与控除、正しく計算できていますか?給与計算は複雑で、特に欠勤控除は、計算方法や注意点、給与明細への反映方法など、人事・経理担当者にとって頭を悩ませるポイントです。
従業員とのトラブルを避けるためにも、正確な知識と手続きが必要です。
今回は、欠勤控除の基礎知識から、給与明細への反映方法、注意点、そしてよくある質問までを分かりやすく解説します。
スムーズな給与計算の実現に向けて、ぜひご活用ください。
欠勤控除の基礎知識と計算方法
欠勤控除とは何か
欠勤控除とは、従業員が欠勤した際に、働かなかった時間分の賃金を給与から差し引くことです。
これは「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づいており、労働と賃金が対価関係にあるという考え方に基づいています。
ただし、法律で明確に規定されているわけではなく、就業規則や給与規定で詳細を定める必要があります。
ノーワーク・ノーペイの原則
「ノーワーク・ノーペイの原則」とは、労働者が働かなければ、その分の賃金は支払われないという原則です。
欠勤控除はこの原則に基づいて行われますが、有給休暇や会社都合による休業など、例外ケースが存在します。
欠勤控除の計算の基本式
月給制の場合、基本的な計算式は「月給 ÷ 所定労働日数 × 欠勤日数 = 欠勤控除額」です。
しかし、実際には勤務形態や給与形態、各種手当の扱いなど、考慮すべき要素が多くあります。
勤務形態別計算方法の違い
・定時制:所定労働時間が毎日一定なので、欠勤日数分を単純に控除します。
・変形労働時間制:日ごとに所定労働時間が異なるため、欠勤した日ごとの所定労働時間分を控除します。
・シフト制:変形労働時間制と同様、欠勤した日ごとの所定労働時間分を控除します。
・フレックスタイム制:コアタイムの有無や、月の総労働時間との関係で計算方法が複雑になります。
コアタイム外は遅刻・早退扱いとなる場合もあります。
清算期間における総労働時間との比較が必要となります。
給与形態別計算方法の違い
・月給制:基本給から欠勤日数分を控除します。
ただし、最低賃金法に抵触しないよう注意が必要です。
・日給月給制:日給を基準に計算し、欠勤日数分を控除します。
・時間給制:実際に働いた時間数分の給与を支払うため、欠勤分は控除されません。
・年俸制:年俸を年間労働日数で割り、1日当たりの給与額を算出して控除します。
賞与の扱いについては、会社規定によって異なります。
欠勤控除と給与明細:記載方法と注意点
給与明細への反映方法
給与明細には、「勤怠項目」「支給項目」「控除項目」の3つの項目があります。
欠勤控除は「支給項目」にマイナス値で記載します。
欠勤日数や遅刻・早退回数は「勤怠項目」に記載します。
控除項目には社会保険料、雇用保険料、所得税などが記載されます。
最低賃金との関係
欠勤控除後の賃金が最低賃金を下回らないようにする必要があります。
特に、出勤日数が少ない月は注意が必要です。
最低賃金を下回る場合は、出勤日数分の給与を支払うなどの対応が必要です。
税金処理に関する注意点
欠勤控除額は、所得税の計算前に総支給額から控除されます。
そのため、欠勤分だけ税金が低くなります。
よくある間違いと違法となるケース
欠勤に対するペナルティとして、働かなかった時間分以上の賃金を控除することは違法です。
また、端数の処理方法にも注意が必要です。
欠勤控除に関する就業規則の重要性
欠勤控除に関するルールは、就業規則や給与規定に明確に記載する必要があります。
曖昧な規定では、従業員とのトラブルにつながる可能性があります。
欠勤控除と有給休暇、会社都合休暇の関係
有給休暇取得時は欠勤控除の対象外です。
会社都合による休業の場合も、休業手当を支払う必要があります。
遅刻早退の処理方法
遅刻・早退は、時間単位で控除するのが原則です。
ただし、公共交通機関の遅延などやむを得ない事情がある場合は、別途対応が必要です。
残業代との関係
残業代は、欠勤の有無に関わらず、発生した分は支払う必要があります。
ただし、「みなし残業代」の場合は、欠勤控除との関係で複雑な計算が必要になる場合があります。
まとめ
この記事では、欠勤控除の計算方法、給与明細への反映方法、注意点などを解説しました。
欠勤控除は「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づきますが、最低賃金法の遵守や、就業規則の明確化が不可欠です。
勤務形態や給与形態、各種手当の扱いなど、ケースによって計算方法は複雑になります。
従業員とのトラブルを避けるためにも、就業規則に明確な規定を設け、従業員に周知徹底することが重要です。
正確な計算と適切な手続きを行うことで、円滑な給与計算を実現しましょう。
最低賃金に抵触しないよう注意し、税金処理についても正確に行いましょう。
不明な点があれば、専門家への相談も検討してください。
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