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定時決定とは?計算方法を解説

2024.08.07 社労士コラム

標準報酬月額「定時決定」とは、毎年4〜6月の給与をもとに翌年9月以降の標準報酬月額を決定する方法です。
社会保険料の算定の基礎となるため、人事担当者や給与計算担当者にとって重要な知識です。
この記事では、標準報酬月額「定時決定」の基礎知識、計算方法、対象となる報酬について具体例を交えて解説します。

□標準報酬月額「定時決定」とは?

標準報酬月額は、社会保険料の計算の基礎となる金額です。
従業員が加入する健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険の保険料は、標準報酬月額に基づいて計算されます。

標準報酬月額の決定方法は、大きく分けて「定時決定」と「臨時決定」の2つがあります。
「定時決定」は、毎年4〜6月の給与をもとに、翌年9月以降の標準報酬月額を決定する方法です。
原則として毎年実施されます。

「臨時決定」は、定時決定以外の時期に標準報酬月額を決定する必要がある場合に行われる方法です。
例えば、転職や昇進などで給与が大きく変わった場合などに適用されます。

□定時決定の計算方法を詳しく解説

定時決定では、4〜6月の報酬月額と支払基礎日数を基に、標準報酬月額が算出されます。
具体的な計算方法は以下の通りです。

1: 報酬月額の計算

報酬月額とは、4〜6月それぞれに支払われた給与の総額を指します。
基本給、各種手当、賞与など、労働の対価として支払われたすべての金額が含まれます。
ただし、退職金や慶弔金などの労働の対価以外の支払いは対象外です。

2: 支払基礎日数の計算

支払基礎日数とは、報酬月額を計算する際の基礎となる日数のことです。
4〜6月それぞれについて、支払基礎日数を計算します。

支払基礎日数は、17日以上でなければなりません。
パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者は、11日以上でなければなりません。

支払基礎日数は、以下のルールに基づいて計算します。
月給制や週休制の場合:対象月の歴日数が支払基礎日数となります。
ただし、欠勤するとその日数分の給与が減額される場合は、歴日数から欠勤日数を差し引いた日数が支払基礎日数となります。

日給月給制の場合は、就業規則などに基づいて事務所が定めた日数から欠勤日数を差し引いた日数が支払基礎日数となります。
日給制や時給制の場合は、対象月で実際に出勤した日数が支払基礎日数となります。
有給休暇や休日出勤については、有給休暇を取得した日、休業手当が支給された日、休日出勤した日など、実際に賃金が支給される日については賃金支払基礎日数に含まれます。

3: 標準報酬月額の計算

標準報酬月額は、以下の計算式で算出されます。

標準報酬月額 = (報酬月額の合計 ÷ 支払基礎日数の合計)× 30

4〜6月すべての月の支払基礎日数が17日(短時間労働者なら11日)未満の場合は、標準報酬月額は算出されず、前回の標準報酬月額がそのまま持ち越されます。
計算対象となる報酬は、労働基準法上の「賃金」とは定義が異なり、労働を提供した対価として受け取る物すべてが対象となります。
基本給のほか各種手当や現物支給される物も含みます。

□まとめ

標準報酬月額「定時決定」は、毎年4〜6月の給与をもとに翌年9月以降の標準報酬月額を決定する方法です。
社会保険料の算定の基礎となるため、人事担当者や給与計算担当者にとって重要な知識です。
定時決定の計算方法には、報酬月額、支払基礎日数を基に標準報酬月額を算出するルールがあります。
計算方法や対象となる報酬などを理解することで、正確な給与計算や社会保険料の算出を行えます。

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