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雇用調整助成金とは?チェックすべきポイントについてご紹介!
雇用調整助成金は、企業が経済的な理由により一時的に労働者を休業させざるを得ない場合に、解雇を回避しつつ雇用を維持するための支援制度です。
労働者に対する平均賃金の一部を国が助成することで、企業は経営基盤を守りながら安定した雇用を維持できます。
本記事では、雇用調整助成金についてご紹介します。
雇用調整助成金とは
雇用調整助成金は、経済的な理由により企業が事業活動を一時的に縮小せざるを得ない場合に、解雇を避けつつ労働者の雇用を維持するための国の支援制度です。
この制度は、特に景気の悪化や産業の変化などで企業が一時的に労働者を休業させる必要が生じた際に、その間の賃金の一部を国が助成することで、企業が経営基盤を維持しつつ、労働者の生活基盤も支えることを目的としています。
労働基準法においては、「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合、企業は休業期間中に労働者に対して平均賃金の60%以上の手当を支払う義務が課されています。
この義務を補完する形で、雇用調整助成金が労働者の休業手当の一部を補助する役割を果たしています。
制度の運用では、企業が労働者を休業させる際には、事前に労使間で協定を結び、休業の理由や期間、休業手当の支給条件などが明確に定められることが求められます。
また、労働者の安定した雇用を支えるため、厚生労働省が定める厳密な基準や申請手続きに則って助成金の申請を行う必要があります。
この制度は、企業の経営継続性を確保しつつ、労働市場全体の安定を図るための重要な仕組みとして位置づけられています。
労働者の雇用保持と企業の持続的な活動を両立させるために、適切な運用と申請手続きの遵守が求められます。
雇用調整助成金の支給申請
雇用調整助成金の支給申請には、厚生労働省が指定する特定の書類が必要です。
申請に際しては以下のポイントに留意する必要があります。
まず、申請書類は主に以下の4種類に分かれます。
1. 小規模事業主で雇用保険被保険者用
2. 小規模事業主で雇用保険被保険者以外用
3. それ以外の事業主で雇用保険被保険者用
4. それ以外の事業主で雇用保険被保険者以外用
これらの書類は、厚生労働省のウェブサイトから最新の様式をダウンロードする必要があります。
特に、様式は定期的に更新されるため、申請前に最新の情報を確認し、適切な様式を使用するようにしましょう。
2020年6月13日現在、6月12日補正予算成立後に発表されたものが最新の様式集となっています。
様式は大きく「20名以下の事業主用」と「それ以外の事業主用」に分かれており、自社の事業規模に応じて適切な様式を選定する必要があります。
また、雇用調整助成金の様式ダウンロードページでは、緊急雇用安定助成金の様式も提供されています。
緊急雇用安定助成金は、新型コロナウイルス感染症の影響により雇用保険被保険者以外の休業にも支給される助成金です。
ただし、助成金が支給されない場合でも、使用者は休業手当の支払い義務があります。
これは労働基準法に違反する可能性があるため、必ず適切な手続きを行いましょう。
申請書類の準備と共に、助成金の条件や申請手続きについて事前に充分な理解を深め、厳密に遵守することが、円滑な申請と支給を確保するために重要です。
チェックすべきポイント
書類の不備がないかどうかを確認します。
必要な押印が適切にされているかを注意深くチェックします。
特に捨印を押印しておくと、後で修正が可能な場合がありますので、申請者の意向に応じて対応します。
また、書類は両面印刷で出力されているかを確認し、裏面の記載事項や提出日の欠落にも留意します。
これにより、書類の完全性と正確性を保つことができます。
次に、書類同士の整合性を確認します。
例えば、勤怠記録と賃金台帳の記載が一致しているかを確認し、休業日数や支払い額に相違がないかを細心の注意をもって確認します。
さらに、使用する様式や申請書類の内容が他の関連書類と整合しているかを確認します。
特に雇用調整助成金の申請書類では、記載内容が正確であり、全ての必要事項が適切に記入されていることを確認します。
これらのチェックポイントを徹底して行うことで、書類の準備が完了した段階で申請を進める準備が整います。
申請書類の正確性と整合性を確保することは、スムーズな審査と助成金の受給を確実にするための重要なステップです。
経済活動の維持と労働者の雇用安定を支援するために、このプロセスを丁寧に進めることが求められます。
雇用調整助成金の受給要件
雇用調整助成金を受給するための主な要件は以下の通りです。
1: 雇用保険適用事業主であること
雇用保険に加入している事業主である必要があります。
雇用保険の加入状況は、労働者の安定した雇用を支援するために重要な要件です。
また、申請に必要な書類を整備し、労働局からの要求や実地調査に迅速に対応できる体制を整えておく必要があります。
2: 売上高や生産量の減少
直近3ヵ月間の月平均値で、前年同期比で売上高や生産量が10%以上減少している必要があります。
これは、事業の経済的な困難を示し、雇用調整助成金の受給の根拠となります。
3: 雇用保険被保険者数と派遣労働者数の増減
直近3ヵ月間の月平均値で、前年同期比で雇用保険被保険者数が中小企業の場合は10%以上減少しており、かつ4人以上、中小企業以外の場合は5%以上減少しており、かつ6人以上増加していない必要があります。
これにより、労働市場の安定性を考慮した条件が設けられています。
4: 労使間の協定に基づく雇用調整の実施
休業、教育訓練、出向などの雇用調整を、事業主と労働者の間で合意した協定に基づいて実施している必要があります。
これには、労働者と事業主の双方が納得し、透明性のある手続きで実施されることが求められます。
これらの要件は、雇用調整助成金の公正な運用と労働市場の安定を目的として設けられています。
申請に際しては、厚生労働省の「雇用調整助成金ガイドブック」などを参照し、具体的な手続きや必要な書類について詳細を確認することが重要です。
まとめ
雇用調整助成金の受給には厳格な条件がありますが、これらの条件を満たすことで企業は助成金の支給を受けられます。
労働市場の変動や経済の影響により、企業が適切な雇用調整を行い、労働者の雇用を維持するための支援として、この制度は重要な役割を果たしています。
申請手続きや必要書類の準備については、厚生労働省の最新情報を参照し、正確かつ迅速な申請を行いましょう。
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