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残業手当と時間外手当の違いとは?見分け方と発生条件を解説

2024.08.13 社労士コラム

会社で働く上で、残業や時間外労働は避けて通れないものかもしれません。
しかし、残業手当と時間外手当の違いについて、きちんと理解している人はどれくらいいるでしょうか。

「残業手当」と「時間外手当」、一見同じように思えるこの2つの手当ですが、実は明確な違いがあります。
それぞれの発生条件や法的根拠を理解することで、自分の労働時間と賃金の関係を正しく把握し、労働時間管理や権利主張に役立てることができるでしょう。
今回は、残業手当と時間外手当の違いについて、わかりやすく解説していきます。

残業手当と時間外手当の定義

残業手当と時間外手当は、どちらも労働時間超過に対して支払われる手当ですが、その法的根拠や発生条件に違いがあります。

1:残業手当

残業手当は、雇用契約や就業規則で定められた「所定労働時間」を超えて働いた際に支払われる手当です。
例えば、会社で定められた労働時間が9時~17時(休憩時間1時間含む)の場合、17時以降に働いた時間が「残業時間」となり、その時間に対して残業手当が支払われます。
残業手当は、会社が従業員との間で定めた労働時間に関するルールに基づいて支払われるものです。
具体的な計算方法は会社によって異なりますが、通常は、残業時間に対して基本給の1.25倍以上の割増賃金が支払われます。

2:時間外手当

一方、時間外手当は、労働基準法で定められた「法定労働時間」を超えて働いた際に支払われる手当です。
法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間と定められています。
つまり、1日8時間以上、または1週間40時間以上働いた場合、その超過した時間に対して時間外手当が支払われます。

3:両者の違い

残業手当と時間外手当の大きな違いは、基準となる労働時間にあります。
残業手当は、会社が定めた「所定労働時間」を基準とする一方、時間外手当は法律で定められた「法定労働時間」を基準としています。

つまり、残業手当は会社が独自に定めたルールに基づいて支払われる手当であり、時間外手当は法律に基づいて支払われる手当であるということができます。
残業手当は、会社が従業員との間で定めた労働時間に関するルールに基づいて支払われるものであり、時間外手当は労働基準法で定められた労働時間に関するルールに基づいて支払われるものです。

残業手当の発生条件

残業手当が発生する条件は、会社によって異なりますが、基本的には以下の条件を満たす必要があります。

1:所定労働時間超過

まず、残業手当が発生するためには、会社で定められた「所定労働時間」を超えて働かなければなりません。
所定労働時間は、就業規則などに明記されているので、事前に確認しておくことが大切です。
就業規則は、会社が従業員に対して労働時間、休暇、賃金などに関するルールを定めたものであり、労働条件の重要な要素となります。
就業規則には、残業手当に関する規定も含まれていることが多く、所定労働時間や残業手当の計算方法などが明記されています。

2:会社からの指示

次に、会社から残業を指示されている必要があります。
会社から指示なく、従業員が自発的に残業した場合、残業手当は支払われない可能性があります。
会社から指示された残業は、会社の業務遂行に必要な労働時間として認められます。
そのため、会社から残業の指示がない場合は、従業員が自発的に残業をしたとしても、その時間に対する残業手当は支払われない可能性があります。

3:残業時間の記録

残業時間を正確に記録しておくことも重要です。
残業時間の記録は、残業手当の請求や労働時間の管理に役立ちます。
残業時間の記録は、残業手当の請求だけでなく、労働時間の管理、労働時間の超過による健康への影響などを把握するためにも重要です。
会社によっては、残業時間の記録方法が定められている場合もあります。

時間外手当の発生条件

時間外手当が発生する条件は、労働基準法で定められています。

1:法定労働時間超過

時間外手当が発生するためには、労働基準法で定められた「法定労働時間」を超えて働かなければなりません。
法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間です。
法定労働時間は、労働者の健康と生活を守るために、法律で定められた労働時間の限度です。
法定労働時間を超えて労働させた場合は、労働者は時間外手当を受け取る権利を持ちます。

2:労働時間の記録

時間外労働時間を正確に記録しておく必要があります。
時間外労働時間の記録は、時間外手当の請求や労働時間の管理に役立ちます。
時間外労働時間の記録は、時間外手当の請求だけでなく、労働時間管理、労働時間超過による健康への影響などを把握するためにも重要です。

3:割増賃金

時間外手当は、通常賃金の1.25倍以上の割増賃金として支払われます。
ただし、会社と労働者間で協定を結ぶことで、割増賃金の率を変更することも可能です。
時間外手当は、法定労働時間を超えて労働させた場合、労働者に支払わなければならない割増賃金です。
割増賃金の率は、労働基準法で最低1.25倍と定められていますが、会社と労働者間で協定を結ぶことで、より高い割増賃金率を設定することも可能です。

違法な残業をさせないためのポイント

違法な残業をさせないためには、以下の点に注意する必要があります。

36協定

36協定とは、労働基準法第36条に基づき、会社と労働組合などが時間外労働や休日労働の限度などを定める協定です。
36協定を締結することで、違法な残業を防止することができます。
36協定は、労働基準法で定められた法定労働時間を超えて労働させる場合に、労働者と会社が合意して、時間外労働や休日労働の限度などを定める協定です。
36協定を締結することで、違法な残業を防止し、労働者の健康と生活を守ることに役立ちます。

時間外労働の上限規制

時間外労働には、月45時間、年360時間の上限が設けられています。
ただし、業務の性質や会社の規模によっては、この上限を超えることも可能です。
時間外労働の上限規制は、労働者の健康と生活を守るために、法律で定められた労働時間の限度です。
業務の性質や会社の規模によっては、この上限を超えることが認められる場合もあります。

まとめ

この記事では、残業手当と時間外手当の違い、それぞれの発生条件、違法な残業をさせないためのポイントについて解説しました。

残業手当は、会社が定めた「所定労働時間」を超えて働いた際に支払われる手当であり、時間外手当は、法律で定められた「法定労働時間」を超えて働いた際に支払われる手当です。
違法な残業をさせないためには、36協定を締結し、時間外労働の上限規制を守ることが重要です。
また、自分の労働時間と賃金の関係を正しく理解することで、労働時間管理や権利主張に役立ちます。

自分の労働時間と賃金の関係について、疑問や不安がある場合は、労働基準監督署などに相談することをお勧めします。

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