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給与計算ミスを防ぐ!よくあるミスと対策を徹底解説!

2024.08.19 社労士コラム

給与計算は、従業員の生活を支える重要な業務であり、会社にとっても経営上の根幹をなすものです。
しかし、複雑な計算や膨大なデータ処理、法令改正など、給与計算にはさまざまな落とし穴が潜んでいます。
ほんの少しのミスが、従業員の信頼を失墜させ、法的な問題に発展する可能性もあるのです。

給与計算ミスは、決して他人事ではありません。
特に、近年では人手不足や業務効率化のニーズが高まり、給与計算業務を担う担当者の負担は増大しています。
その結果、ミスが起こりやすくなっているのが現状です。

この記事では、給与計算ミスを防ぐための具体的な対策を、実務経験に基づいて解説していきます。
ぜひ最後まで読み進めて、安心して給与計算業務を進められるようにしましょう。

 

給与計算ミスで起こるリスク

給与計算のミスは、単に金額が間違っているだけではありません。
従業員との信頼関係を損なうだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあるのです。
以下では、給与計算ミスによって起こりうるリスクを、具体的な事例を交えて解説していきます。

1: 従業員からの信頼を失う

給与計算ミスは、従業員からの信頼を失う大きな要因となります。
例えば、残業代の計算間違いや、賞与の支給漏れなどが発覚した場合、従業員は会社に対する不信感を抱き、モチベーションの低下や離職に繋がる可能性があります。

2: 法的な問題に発展する

給与計算は、労働基準法や所得税法などの法令に基づいて行わなければなりません。
法令違反となるようなミスを犯した場合、従業員から訴訟を起こされたり、税務調査で指摘を受けたりするリスクがあります。

3: 会社の評判を落とす

給与計算ミスは、会社の評判を落とす原因にもなり得ます。
従業員からの口コミや、メディア報道によって、会社の信用が失墜し、顧客や取引先からの信頼も失う可能性があります。

4: 社内業務の混乱

給与計算ミスは、社内業務の混乱にも繋がります。
例えば、給与の過払いによって、翌月の給与支払いが滞ってしまう場合や、給与計算担当者の負担が増加し、他の業務に支障をきたす場合などが考えられます。

給与計算ミスは、従業員、会社、社会全体に悪影響を及ぼす可能性を秘めているのです。

 

給与計算ミスが起こる原因

給与計算ミスは、様々な原因が考えられます。
以下では、給与計算ミスが起こる主な原因を3つに分けて解説していきます。

* データ管理の不備

給与計算は、従業員の勤怠データ、給与情報、社会保険料などのさまざまなデータを正確に管理することが不可欠です。
しかし、データの入力ミス、更新漏れ、データの整合性不足など、データ管理の不備によってミスが発生するケースは少なくありません。

1: データ入力ミス

データ入力は、給与計算ミスに繋がる最も一般的な原因の一つです。
例えば、従業員の氏名や勤怠時間の入力ミス、給与項目の金額入力ミスなどが挙げられます。

2: データ更新漏れ

従業員の異動、昇給、扶養家族の変更など、給与計算に影響を与える情報の更新漏れも、ミスに繋がりやすいです。
特に、人事異動や給与改定は、頻繁に発生するため、常に最新の情報を反映させることが重要です。

3: データの整合性不足

複数のシステムやデータソースから情報を集めて給与計算を行う場合、データ間の整合性が取れていないと、計算結果に誤差が生じる可能性があります。
例えば、勤怠管理システムと給与計算システムのデータが一致していない場合が挙げられます。

*担当者側の問題

給与計算担当者のスキル不足、業務負担の増加、意識の甘さなど、担当者側の問題も、給与計算ミスに繋がる要因の一つです。

1: スキル不足

給与計算は、労働基準法や税法に関する知識、給与計算ソフトの操作スキルなど、高い専門知識とスキルが求められます。
担当者のスキル不足は、計算ミスや法令違反に繋がる可能性があります。

2: 業務負担の増加

人手不足や業務量の増加によって、給与計算担当者の負担が増加すると、集中力が低下し、ミスが発生しやすくなります。
また、時間に追われるあまり、適切なチェック体制が整わず、ミスを見逃してしまうこともあります。

3: 意識の甘さ

給与計算は、従業員の生活に直結する重要な業務です。
しかし、担当者が「何となく」や「何とかなるだろう」といった意識で業務を行っていると、ミスが発生しやすくなります。
常に正確性を意識し、責任感を持って業務に取り組むことが大切です。

*スケジュール管理の甘さ

給与計算は、締め切りが厳しく、時間内に正確に処理する必要がある業務です。
スケジュール管理が甘いと、締め切りに間に合わせようと焦ってしまい、ミスが発生しやすくなります。

1: 締め切りまでの時間が短い

給与計算の締め切りまでの時間が短いと、担当者は時間に追われてしまい、正確な計算やチェックを行う時間的余裕がありません。
結果として、ミスが発生しやすくなるだけでなく、精神的な負担も大きくなってしまいます。

2: 給与計算業務の集中化

給与計算業務が、特定の担当者に集中している場合、その担当者が病気や休暇などで不在になると、業務が滞ってしまうだけでなく、代行する担当者が業務に不慣れなためにミスが発生するリスクもあります。

3: 突発的な業務発生

給与計算以外にも、人事異動や給与改定など、突発的に発生する業務によって、給与計算業務に支障をきたすことがあります。

 

給与計算ミスを防ぐための対策

給与計算ミスを防ぐためには、さまざまな対策を講じることが重要です。
以下では、具体的な対策を5つご紹介していきます。

1: チェックリストの作成

チェックリストを作成することで、作業漏れや入力ミスを防げます。
チェックリストには、給与計算に必要な項目を全て網羅し、担当者が漏れなくチェックできるようにしましょう。
項目例としては、以下のものが挙げられます。

1: 従業員情報
・ 氏名
・ 雇用形態
・ 基本給
・ 手当
・ 勤怠時間
・ 社会保険料
・ 源泉徴収税
・ 振込口座情報

2: 勤怠情報
・ 出勤日
・ 勤務時間
・ 休暇
・ 残業時間
・ 休日出勤時間

3: 給与計算
・ 給与総額
・ 社会保険料
・ 源泉徴収税
・ 手取り額

2: 複数人によるチェック体制

担当者1人だけで給与計算を行うのではなく、複数人でチェック体制を構築することで、ミスを早期に発見し、防止できます。

・ダブルチェック
給与計算担当者とは別に、別の担当者によるダブルチェックを行うことで、担当者のミスを見つけられます。

・クロスチェック
給与計算担当者と人事担当者など、異なる部署の担当者によるクロスチェックを行うことで、担当者の視点とは異なる角度からチェックを行えます。

・監査
定期的に外部の専門家による監査を実施することで、内部チェック体制の有効性を検証し、改善点を見つけられます。

3: 給与計算スケジュールの見直し

給与計算のスケジュールに余裕を持たせることで、担当者は落ち着いて業務を行えます。

・締め切り日の変更
給与計算の締め切り日を遅らせることで、担当者は時間的余裕を持って業務を行えます。

・業務の分散化
給与計算業務を複数人に分散することで、担当者の負担を軽減し、ミスを減らせます。

・自動化ツールの導入
勤怠管理システムや給与計算ソフトなどの自動化ツールを導入することで、人手に頼っていた作業を自動化し、担当者の負担を軽減できます。

4: システム導入

給与計算システムを導入することで、人為的なミスを大幅に削減できます。

・勤怠管理システム
勤怠管理システムを導入することで、従業員の勤務時間を自動で記録し、給与計算に必要なデータを正確に取得できます。

・給与計算ソフト
給与計算ソフトを導入することで、給与計算の処理を自動化し、人為的なミスを減らせます。
また、給与計算に関する様々な機能が搭載されており、業務効率化に役立ちます。

5: 意識改革

給与計算は、従業員の生活に直結する重要な業務です。
担当者は、常に正確性を意識し、責任感を持って業務に取り組むことが大切です。

・ミスに対する意識改革
「ミスは誰にでも起こるもの」という意識ではなく、「ミスは絶対に許されない」という意識を持つことが重要です。

・従業員に対する意識改革
給与計算担当者は、従業員に対する責任感を持ち、正確な給与計算を行うことで、従業員の生活を守るという意識を持つことが大切です。

 

給与計算ミスを防ぐための意識改革

給与計算ミスを防ぐためには、単にシステムやチェック体制を導入するだけでなく、担当者の意識改革も重要です。
以下では、給与計算担当者が意識すべきことを3つにまとめます。

1: 常に正確性を意識する

給与計算は、従業員の生活を支える重要な業務です。
担当者は、常に正確性を意識し、ミスを絶対に許さないという気持ちで業務に取り組む必要があります。

・細心の注意を払う
データ入力や計算など、すべての作業において、細心の注意を払い、ミスを防ぐように努めましょう。

・丁寧なチェック
入力したデータや計算結果などは、必ず丁寧にチェックを行い、誤りがないことを確認しましょう。

・疑問点は放置しない
作業中に疑問点が生じた場合は、放置せずにすぐに上司や先輩に確認するようにしましょう。

2: 責任感を持つ

給与計算担当者は、従業員に対する責任感を持ち、正確な給与計算を行うことで、従業員の生活を守るという意識を持つことが大切です。

・ 従業員の立場に立って考える
給与計算のミスは、従業員にとって大きな影響を与えます。
担当者は、従業員の立場に立って考え、ミスを防ぐ努力をしましょう。

・責任感を持って行動する
給与計算は、単なる事務処理ではなく、従業員への責任を果たす重要な業務であることを認識し、責任感を持って行動しましょう。

3: 最新の情報に常に目を向ける

給与計算は、労働基準法や税法などの法令改正の影響を受けやすい業務です。
担当者は、常に最新の法令情報や関連する情報を収集し、最新の知識を習得することが重要です。

・法令改正情報をチェックする
労働基準法や税法などの法令改正に関する情報は、常にチェックし、最新の知識をアップデートするようにしましょう。

・専門知識を習得する
給与計算に関する専門知識を深め、常に最新の情報に精通しておくようにしましょう。

・関係部署との連携を強化する
人事部や経理部など、関連部署との連携を強化することで、最新の情報共有を行い、給与計算の精度向上に繋げられます。

 

まとめ

給与計算ミ スは、従業員や会社にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。
ミスを防ぐためには、チェックリストの作成、複数人によるチェック体制、給与計算スケジュールの見直し、システム導入、そして担当者の意識改革など、さまざまな対策を講じることが重要です。
この記事でご紹介した内容を参考に、給与計算ミスを防ぎ、従業員からの信頼を維持し、法令遵守を徹底することで、安心して給与計算業務を進められるようにしましょう。

 

 

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