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【大阪難波の社労士】介護休業とはどのような制度?介護休暇との違いも解説

2023.08.22 スタッフブログ

大阪難波を中心に企業の労務対応をサポートしている、社会保険労務士法人渡辺事務所です。

一定の要件を満たした従業員に取得が認められているのが、介護休業です。しかし、企業・担当者様の中には、介護休業と介護休暇とはどのような制度なのか曖昧な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では介護休業の概要について、介護休暇との違い、介護休業を導入する際の注意点と一緒に解説します。

介護休業は育児・介護休業法によって定められた制度

介護休業は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(通称は育児・介護休業法)で定められた国の制度です。

介護の必要性は突発的に生じることが多く、介護に要する期間や労力はケースによって異なります。長期的な休みを取得し、介護と仕事をうまく両立できる体制づくりを目的としたのが、介護休業です。

以下で介護休業を取得できる対象者、対象となる家族、取得できる日数などを見ていきましょう。

参照:厚生労働省「介護休業とは

介護休業を取得できる対象者

介護休業を取得できるのは、要介護状態にある家族を介護する従業員です。

契約社員や有期パートタイマーといった期間を定めて雇用される従業員は、取得予定日から起算して、93日を経過する日から6カ月を経過する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないことが求められます。労使協定が締結されている場合、入社1年未満の従業員は対象外です。

要介護状態とはケガや疾病、身体上・精神上の障害によって、2週間以上に渡って常時介護が必要な状態のことです。介護保険制度の要介護認定とは異なるため、認定を受けていなくても取得が可能です。

ただし、上記はあくまでも厚生労働省が示した参考基準であり、企業にはケースに応じた柔軟な対応を求めています。

参照:厚生労働省「男女雇用機会均等法 育児・介護休業法のあらまし

対象となる家族

対象となる家族は次の通りです。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • 配偶者の父母

上記の家族との同居や扶養要件はありません。たとえば、本人とは別に住んでいても、介護休業の対象となります。

ただし、子は法律上の親子関係がある子(養子を含む)に限る点には注意が必要です。

取得できる日数

取得できる日数は、対象となる家族1人につき3回まで、通算93日までです。以下は取得日数・方法の一例です。

  • 1回目30日、2回目30日、3回目33日と分けて取得する
  • 1回で93日をまとめて取得する

また年次有給休暇は、本来労働すべき日に休む権利を行使できる制度です。そのため介護休業中は労働の義務がなく、介護休業中に年次有給休暇は取得できません。

介護休業と介護休暇との違い

介護休業とよく間違えられるのが、介護休暇です。名称は似ているものの、両者には明確な違いがあります。

介護休業は長期的な休みを取得して、仕事と介護を両立できる体制づくりが目的です。対象となる家族1人につき3回まで、通算93日まで取得できます。

一方の介護休暇は短期的な休みを取得して、直接介護や通院の付き添い、介護サービスの手続きなどが目的です。対象家族1人につき年5日まで、2人以上で年10日まで取得できます。

介護休暇を利用するケースとして、次のようなものが考えられるでしょう。

  • 家族の急な体調不良
  • 病院の入院や通院の付き添い
  • 介護事業所やケアマネジャーとの面談
  • 介護保険関係の手続き

また介護休暇は1日単位だけでなく、時間単位で取得できます。そのため、企業の担当者は日数だけでなく、時間単位での管理が必要です。

介護休業を導入するにあたっての注意点

介護休業を導入するにあたって、いくつか気をつけておきたい点があります。以下で5つの注意点を見ていきましょう。

取得の申し出があれば断れない

介護休業は育児・介護休業法上の制度のため、定められた要件を満たしていれば、従業員からの取得の申し出を断れません。たとえ就業規則で介護休業に関する規定がなくても、申し出を受ける必要があります。

また介護休業の取得を理由とした解雇や降格、減給、賞与の削減など、従業員に不利益となる行為も禁止です。

取得しやすい体制づくりを心がける

介護休業を必要とする従業員が心置きなく取得できるよう、適切な体制づくりを心がけましょう。特定の従業員にしか対応できない業務をなくし、企業や部署全体でフォローし合える体制を構築すると、取得しやすくなります。

また介護休業を取得しない従業員の負担が大きくなると不満が高まり、取得自体に罪悪感を持つかもしれません。取得しない従業員の負担が大きくならないよう、業務内容や量をバランスよく配分する必要もあります。

賃金の有給・無給は企業の規定による

介護休業中の賃金の有給・無給は、企業の規定によります。特に無給であっても問題はありません。ただし、有給なのか無給なのかは就業規則へ規定しておく必要があります。

また所定の手続きによって、給与の67%を受給できる介護休業給付金もあります。主な要件は次の3つです。

  • 雇用保険の被保険者である
  • 家族の介護のため、2週間以上の休業を必要としている
  • 職場復帰を前提とした取得である

介護休業を終えてから申請するもののため、休業中は受給できません。

参照:厚生労働省「Q&A~介護休業給付~

社会保険料と住民税は免除されない

たとえ無給で介護休業を取得する場合も、雇用保険以外の社会保険料と住民税の支払いは免除されません。

従業員によっては、企業による立替え納付といったサポートが必要となるでしょう。個々の従業員と、事前に話し合っておく必要があります。

助成金を活用する

介護と仕事の両立を促す企業を支える制度として、「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」があります。活用によって、介護休業を必要とする従業員へよりスムーズに取得を促せるでしょう。大きく介護休業と介護両立支援制度の2つに分けられます。

さらに介護休業は、休業取得時と職場復帰時に分けられ、それぞれ30万円が支給されます。また、介護両立支援制度でも30万円が支給されます。

支給要件はそれぞれで異なるため、厚生労働省のホームページで詳細を確認しましょう。また社会保険労務士へ依頼すると、申請を代行してくれるため安心です。

参照:厚生労働省:「両立支援等助成金

まとめ

介護休業とは国の制度のひとつで、長期的な休みを取得し、介護と仕事をうまく両立できる体制づくりを目的としたものです。介護休暇との主な違いは取得できる日数や、時間単位で取得できるかどうかです。

導入するにあたっては従業員が心置きなく取得できるよう、全体でフォローし合える体制づくりが欠かせません。

社会保険労務士法人渡辺事務所は、大阪市中央区難波を拠点に全国対応しております。介護休業に関する助成金の申請代行のほか、必要な社会保険手続きなども代行を行っております。

介護休業についてお困りの企業・担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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