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平成29年度は助成金が大きく変わります【生産性に関する基準】
生産性高い企業を優遇 厚労省、雇用関連助成金を再編
【2016/8/14付 日本経済新聞 朝刊より】
厚生労働省は雇用関連の助成金を改革する。助成金を現在の27種類から廃止や統合で15種類程度に再編し、新たに生産性が上がっている企業への助成額を増やす。成長企業を手厚く支援すると同時に、最低賃金の引き上げを受けて中小企業に生産性の向上を促す。
不振企業の雇用を維持するための雇用調整助成金など雇用関連の助成金のうち、目的が似通ったものを中心に統合。利用が少ない高齢者関連や職業訓練関連の助成金の一部は廃止する。
再編したうえで助成金の支給要件に生産性に関する基準を設ける。具体的には、営業利益や減価償却費、人件費などを足した数字を分子、労働者数を分母として基準値を算出する。分子に人件費を含めることで、企業が人員削減で生産性を上げないようにする。
基準値が直近の数年間で一定程度上がっていれば成長が見込める企業として助成額を1~2割程度増額する方針だ。逆に下がっていれば減額することも検討する。
平成29年度厚労省の助成金の考え
1.目的が似通ったものを中心に統合する。
2.利用が少ない高齢者関連や職業訓練関連の助成金の一部は廃止する。
3.助成金の支給要件に生産性に関する基準を設ける。
4.成長企業により手厚く助成することで、企業の業績や業容の拡大を後押しする狙い。
生産性に関する基準
上記の項目の中で、もっとも気になるのが「生産性に関する基準」ではないでしょうか。具体的には、「営業利益や減価償却費、人件費などを足した数字を分子、労働者数を分母として生産性の基準値を算出し、それにより助成率を増減する」とのことですが、詳しく解説していきます。
営業利益とは
営業利益とは、損益計算書上に表される利益のひとつで、企業が本業で稼いだ利益を表します。
売上高から売上原価を差し引いた「売上総利益」から、さらに「販売費および一般管理費(販管費)」を差し引いて計算します。一般的な商売であれば、商品を仕入れて販売するのが本業です。売上高から仕入れ値を差し引いた額が「売上総利益」となりますが、売り上げのためには、仕入れ以外にも人件費、広告費、光熱費などの費用がかかります。売上総利益から、これらの「販売費および一般管理費」を差し引くと、商品を仕入れて販売するという本業で稼いだ「営業利益」が計算できます。
減価償却費とは
建物や機械設備など、企業が長期間にわたって利用する資産を購入した場合、その購入価額をいったん資産として計上した後、当該金額を資産の耐用年数にわたって規則的に費用として配分される金額のこと。
人件費とは
従業員を雇用することによって発生する費用のことで、直接従業員に支払われる給与以外に、社会保険料の企業負担分や退職金の引き当てや福利厚生費等も含まれます。
まとめ
雇用関連助成金を再編を簡単にまとめると、以下になります。
・本業で利益を出している会社を優遇
・設備投資をしている会社を優遇
・人件費を支払っている会社も優遇(人員削減の回避)
厚労省がこうした取り組みを始める背景には、成長企業により手厚く助成することで、企業の業績や業容の拡大を後押しする狙いや、賃上げが難しい中小企業に生産性の向上を促して賃上げにつなげたいということが考えられます。逆に、利益に繋がらない要素を抱えてしまっている会社は冷遇されるといったことになりそうです。
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