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社労士と「助成金」についての関わりについて

2017.06.22 社労士コラム

社会保険労務士が行う業務の一つに「助成金」の申請業務があります。社会保険労務士が申請する助成金は厚生労働省が扱っている雇用関係の助成金が対象となります。

雇用関係の助成金とは、人を雇用する時、雇用を維持する時、処遇や職場環境を改善する時、仕事と家庭の両立、女性の活躍推進を行う時、従業員の職業能力の向上を図る時などに対象になる場合が多いです。

また、助成金は会社が納めている労働保険料(雇用保険料)が財源となっており、予算がなくならない限り支給要件に当てはまればもらえる事ができます。
助成金は融資とは異なり返済が不要です。ただし、書類の不備や虚偽の申請をしていると不正受給とみなされ、当たり前の事ですが返還しなければならなくなります。

雇用関係の助成金については、社会保険労務士だけが会社の代わりに申請を代行することが出来ます。
逆に厚生労働省以外の国・地方公共団体が扱っている「助成金」や経済産業省が扱っている「補助金」については、社会保険労務士にとっては専門外の業務となります。

雇用関係助成金については以下の共通の要件があります。

受給できる事業主としては、雇用保険適用事業所の事業主であること、支給のための審査に協力すること、申請期間内に申請を行うことがあります。

受給できない事業主としては、 不正受給をしてから3年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主、 労働保険料を納入していない事業主 、支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に労働関係法令の違反があった事業主、 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主、 暴力団関係事業主、支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主、不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主があります。

助成金の申請書類は年度、国の政策や状況により不定期に変更されたりしますし、都道府県の労働局毎に必要な書類が変わってきますので、定期的に情報を収集しておく必要があります。また、申請には期限がありますので一日でも過ぎてしまうと支給されなくなります。そのような事にならない為にもスケジュール管理をきっちりとしておく必要があります。

その他にも助成金申請の際には、労務に関する様々な書類を提出する必要があります。

代表的なものとしては就業規則(労働協約)、労働条件通知書(雇用契約書)、賃金台帳、出勤簿、タイムカードなどがあります。創業して間もない会社や労務の専門知識をもっている人がいない会社であればこれらの書類を用意するのは中々容易ではありません。また書類を用意でき、助成金を申請しても不支給となる場合もあります。

例えば、解雇を行った時、労働法違反があった時、雇用保険、社会保険に加入していなかった時、労働保険料を滞納している時、不正時給が発覚した時などがあります。

「労働法違反があった時」の具体例としては、出勤簿やタイムカードで労働時間を適切に記録・把握しているか、給与計算の際に時間外、深夜、休日労働の割増賃金を正しく計算し支給しているかなどが問われます。したがって、上記の理由で不支給にならないよう、日頃からの労務管理が非常に重要になってきます。

助成金の申請は法律知識(特に労務の部分)を押さえておく必要がありますので、人事労務の専門家である社会保険労務士に任せることをおススメします。

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